連敗止めた大谷が仲間に見せた粋な気遣い 打撃不振も「必死にボールを…」
スタメン落ちで途中出場のカルフーンに感謝
20日(日本時間21日)に本拠地レイズ戦で今季4勝目を挙げたエンゼルス大谷翔平投手が、試合後にチームメイトに対する抜群の気遣いを見せた。この日は米最長7回2/3を投げて9奪三振2失点の快投で、チームの連敗を「5」で止めた右腕。試合が終わったばかりのグラウンドで、ファンの歓声を浴びながら地元テレビ局のヒーローインタビューに登場すると、打率.161と打撃不振にあえぐチームメイトを気遣った。
レイズ相手に屈辱の同一カード4連敗という危機を救ったのは、やはりこの男だった。3回にソロ弾を浴びて先制を許したが、その後は打者12人を連続凡退に切って落とすなど大暴れ。8回2死から右前打を許したところでお役御免となったが、千両役者の力投でチームは5-2と白星を飾った。
試合後には地元ロサンゼルスで試合を中継する「FOXスポーツ・ウェスト」のヒーローインタビューに登場。エンゼルスタジアムに沸き起こる大歓声の中、大谷はこの日の勝利について「すごく大きいと思います。僕自身も今日は絶対に勝ちたいと思っていた。長い回投げられて良かったと思います」と笑顔を見せた。
立ち上がりは自らの制球に首を傾げる様子も見られたが、3回以降は圧巻の修正力を見せつけた。女房役のマーティン・マルドナド捕手と綿密なやり取りを繰り返し、「今の状態と打線の反応と、1回1回終わるたびに確認していた。コミュニケーションを取れたと思った」と胸を張った。
エンゼルス打線は、この5連敗中は合計10得点と湿っていたが奮起。この日は相手のミス絡みなどで5点を挙げた。そして、チームメイトからの援護について質問された大谷は、キャンプイン以来何かと気に掛けてくれる仲間に対し、抜群の気遣いを見せた。
「援護点もそうですけれど、カルフーン選手は捕れなかったけれど、必死にボールを追ってくれた。僕自身も勇気付けられるプレーがありました」
大谷が名指しで感謝したのは、メジャー7年目の30歳コール・カルフーン外野手だ。2015年にゴールドグラブ賞を受賞した守備の名手だが、今季打率は.161と極端な落ち込み。マイク・ソーシア監督はスタメンから外し、この日も途中出場だった。だが、8回表に大谷が先頭フィールドに右翼線深くへ大きな二塁打を許すと、右翼を守っていたカルフーンは必死で打球を追いかけた。捕球こそできなかったが、何とかマウンド上の大谷をバックアップしようとする姿勢がうれしかったのだろう。
打撃が上向かずに気落ちしているであろうムードメーカーを、地元ファンと視聴者の前で励ますという絶妙な気遣いを見せた大谷は、スタンドからの拍手喝采の中、「サンキュー」と左手を軽く上げてヒーローインタビューを締めくくった。
(Full-Count編集部)