平成ベストナインを選ぶ 捕手は大豊作、総合力で古田敦也がリードか

里崎はしばしば殊勲打、阿部は捕手史上3位の390本塁打

◯相川亮二(平成11年~29年 横浜、ヤクルト、巨人)捕手1377試合
1150安打69本475点12盗 打率.260
横浜では谷繁の後の正捕手。その後ヤクルトに移籍し、古田敦也の後釜に。安定した守備と勝負強い打撃で、信頼を勝ち得た。巨人では小林誠司へのバックアップ役。

◯里崎智也(平成12年~26年 ロッテ)捕手1018試合
890安打108本458点6盗 打率.256 ベストナイン2回、ゴールデングラブ2回
攻守で高いパフォーマンスを残した千葉ロッテの正捕手。打者の弱点を突くインサイドワークに定評。打者としてもしばしば殊勲打を飛ばした。

◯阿部慎之助(平成13年~ 巨人)捕手1525試合
2042安打390本1222点13盗 打率.284
打点王1回、首位打者1回、最高出塁率2回、MVP1回、ベストナイン8回、ゴールデングラブ4回
NPB史上屈指の攻撃型捕手。守備の要を務めながら中軸を打った。390本塁打は捕手としては野村克也、田淵幸一に次ぐ3位。平成27年からは一塁を守る。

◯石原慶幸(平成14年~ 広島)捕手1526試合
1001安打65本370点25盗 打率.237 ベストナイン1回、ゴールデングラブ1回
東北福祉大を出て2年目から正捕手になる。キャッチング、リードで高い評価を得る。平成28年37歳で初のベストナイン、ゴールデングラブ。捕手としての出場試合数は広島最多。

◯細川亨(平成14年~ 西武、ソフトバンク、楽天)捕手1390試合
678安打84本366点8盗 打率.203 ベストナイン2回、ゴールデングラブ2回
安定感のある守備と、堅実なリードで西武、ソフトバンクの正捕手として活躍。打者としても勝負強く平成20年は58打点。バントの名手でもある。現在は楽天に在籍。

◯鶴岡慎也(平成15年~ 日本ハム、ソフトバンク、日本ハム)捕手1056試合
581安打17本241点12盗 打率.240 ベストナイン1回、ゴールデングラブ1回
投手陣の信頼を得る捕手。フィールディングも優秀。今季、5年ぶりに古巣日本ハムに復帰し、若い捕手のサポート役として渋い働き。

◯炭谷銀仁朗(平成18年~ 西武)捕手1132試合
634安打31本266点8盗 打率.211 ベストナイン1回、ゴールデングラブ2回
盗塁阻止率4割を3回記録した強肩の捕手。リードでも西武投手陣の信頼が篤い。打撃は非力だったが、近年は勝負強さを増した。現プロ野球選手会長。

◯嶋基宏(平成19年~ 楽天)捕手1250試合
855安打23本283点48盗 打率.244 ベストナイン2回、ゴールデングラブ2回
強肩と俊敏な守備でチームを引っ張る。平成23年年の東日本大震災では「見せましょう、野球の底力を」と日本中を鼓舞した。プロ野球選手会長としても活躍。

 上記以外に平成になって700試合以上捕手として出場した選手は4人。

田村藤夫 899試合(566安打52本248点21盗 打率.236)
古久保健二 853試合(356安打37本175点7盗 打率.202)
野口寿浩 836試合(582安打42本272点30盗 打率.250)
山田勝彦 742試合(360安打21本130点3盗 打率.205)

 平成時代は捕手も大豊作の時代と言える。MVPを取った捕手が3人、すでに殿堂入りした捕手が2人いる。

 この中からベストナインの候補を選ぶのは厳しいが、以下の4人が候補と言えよう。

1位 古田敦也
2位 阿部慎之助
3位 谷繁元信
4位 伊東勤

 リード、守備も優秀で首位打者もとった古田は総合力で評価が高い。阿部は長打力では古田を上回るが、捕手から一塁に転向したのをどう評価するか。谷繁は野村克也を上回る実働期間を誇り、2チームで正捕手として活躍した。伊東勤は黄金時代の西武の不動の正捕手だった。

 古田、伊東は殿堂入りしている。残る2人も殿堂入りする可能性は高い。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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