イチロー最多安打シーズン支えた殿堂打者が回顧「情熱は教えるものじゃない」
04年に打撃コーチを務めたツインズのモリター監督
今季は試合に出場することはないマリナーズのイチロー会長付特別補佐。来季以降の試合出場には含みを持たせており、今でも背番号51のついた練習着に袖を通し、試合前にはフリー打撃や走塁の練習を続けている。そんな44歳レジェンドの姿を温かく見守るのが、ツインズのポール・モリター監督だ。25日(日本時間26日)からのマリナーズ3連戦で敵地シアトルを訪れた指揮官がイチローについて語ったという。地元紙「スタートリビューン」電子版が伝えている。
現役時代はツインズの好打者として鳴らしたモリター監督は、21年のキャリアで通算打率.306、3319安打、234本塁打、504盗塁と大活躍。球宴選出7度、ワールドシリーズMVPなど輝かしい功績で、2004年に米国野球殿堂入りも果たした。現役引退後は指導者に転身。2004年にはマリナーズで打撃コーチを務めた。この時、強烈な輝きを放っていたのがイチローだった。
2004年と言えば、イチローがシーズン262安打を放ち、メジャー最多記録を更新した年だ。記事によれば、モリター監督は「ここ(セーフコフィールド)に来ると、彼のコーチをしていた時を思い出す」と懐かしげに当時を振り返ったという。さらに、今もなお練習を続けるイチローについて「情熱は教えるものじゃない。イチがグラウンドに出てプレーする際に抱く感情には引き付けられる」と称えた。
今では広く知られた話だが、イチローが秘める打撃のパワーにはいまだに感嘆が収まらないようだ。「ここは大きな球場だ。でも、彼は毎日ホームから440フィート(約134メートル)離れた右翼スタンドにある窓まで飛ばしていたよ」と笑顔で振り返ったという。
殿堂打者も感心させたイチローの野球に対する情熱は、今でも消えることなく息づいている。
(Full-Count編集部)