鷹つまずき、ハム躍進 パ・リーグ勢力図は昨年同時期とどう変化した?
2017年は楽天が首位を走り、ソフトバンクが追う展開
29日からプロ野球はセパ交流戦がスタートする。長いペナントレースにおいても、1つの節目となるこの交流戦。同一リーグとの対戦がなく順位変動にも大きな影響を与えるものとなる。2018年は一体どんなドラマが待っているだろうか。
そこで、交流戦を前にして、現時点でのNPB12球団の勢力図を1年前の同時期と比較してみよう。パ・リーグから。
2017年5月29日時点のパ・リーグ
1楽 天.714(42試合30勝12敗0分 差–)
2ソフトバンク.612(49試合30勝19敗0分 差3.5)
3西 武.568(45試合25勝19敗1分 差6.0)
4日本ハム.413(46試合19勝27敗0分 差13.0)
4オリックス.413(46試合19勝27敗0分 差13.0)
6ロッテ.298(48試合14勝33敗1分 差18.5)
〇各部門1位
・打率 近藤健介(日).414 ・本塁打 レアード(日)15
・打点 浅村栄斗(西)44 ・盗塁 源田壮亮(西)13
・勝利 千賀滉大(ソ)則本昂大(楽)6勝 ・防御率 菊池雄星(西)1.23
・セーブ 松井裕樹(楽)17 ・ホールド ハーマン(楽)16
2018年5月28日時点のパ・リーグ
1西 武.600(45試合27勝18敗0分 差–)
2日本ハム.574(47試合27勝20敗0分 差1.0)
3ソフトバンク.500(46試合23勝23敗0分 差4.5)
4オリックス.489(48試合23勝24敗1分 差5.0)
5ロッテ.467(45試合21勝24敗0分 差6.0)
6楽 天.370(47試合17勝29敗1分 差10.5)
〇各部門1位
・打率 柳田悠岐(ソ).374 ・本塁打 山川穂高(西)13
・打点 山川穂高(西)43 ・盗塁 西川遥輝(日)17
・勝利 多和田真三郎(西)7勝 ・防御率 上沢直之(日)1.18
・セーブ 増井浩俊(オ)12 ・ホールド 宮西尚生、石川直也(日)、黒木優太(オ)11
2017年は、楽天が開幕から勝率7割超の猛ダッシュ。これをソフトバンクが追いかける図式だった。ロッテは勝率は3割に満たず、1位と6位のゲーム差は18.5に開いていた。
個人成績では、日ハムの近藤健介が打率.414の高打率で打率1位に立ち、4割打者の期待がかかっていた。西武の新人遊撃手である源田壮亮が、開幕からフル出場し、リーグ1位の13盗塁を記録。楽天の快進撃は、最多勝の則本昂大、最多セーブの松井裕樹、最多ホールドのハーマンなど投手陣の活躍によるものだった。
2018年は、ソフトバンクが守護神サファテなど故障者続出が勝率5割の3位。特に序盤に打線好調だった西武が1位、これを投手陣が好調な日本ハムが追いかける図式。しかし1位と6位のゲーム差は10.5と、前年よりも混戦模様だ。
個人成績は、ソフトバンクの柳田悠岐がトリプル4の期待がかかる活躍。山川穂高は昨年後半戦三冠王の活躍だったが、今季も好調。投手では日本ハムの上沢直之の活躍が目立つ。セーブは、昨年プロ野球記録を打ち立ててMVPに輝いたサファテが離脱し、日本ハムからオリックスに移籍した増井浩俊がトップ。日本ハムは宮西、石川の2人が、オリックスの黒木と11ホールドで並んでいる。
パ・リーグの勢力図は、現時点では昨季と大きく変わっている。絶対優位と思われた前年の覇者ソフトバンクがつまづき、昨年5位で、しかもオフに大谷翔平が抜けた日本ハムが、首位に肉薄している。プロ野球の予想は本当に難しい。今後もどんな展開が待っているか?目が離せない。
(広尾晃 / Koh Hiroo)