現役選手から球団職員に転身 ロッテ・古谷氏「初めての企画営業」に密着

かつてロッテでプレーし、現千葉ロッテ営業部の古谷拓哉氏【写真:武山智史】
かつてロッテでプレーし、現千葉ロッテ営業部の古谷拓哉氏【写真:武山智史】

サプライズで始球式に立った「営業マン」 ファンからは大きな拍手

 医食同源ドットコムとのつながりは、現役時代につながりのあった経営者からの紹介だった。そこから協賛ナイター実現まで、古谷氏にとっては初めての経験が続いた。

 「最初はメールのやりとりや企画書作りに始まり、言葉の伝え方にも苦労しました。商材もしっかり把握して説明しなければならない。色々な質問も来ました。私一人だけではなく、大勢の方の連係があってここまで来ましたね。良い経験をすることができました」

 PRブースでは医食同源ドットコムの担当者とコミュニケーションを取りながら、サプリメント販売やガラポン抽選会を進めていく。同社広報部の笛木慎一郎氏は「初めてとは思えない手際の良さです」と古谷氏の仕事ぶりを評価する。ガラポン抽選会では当選者に対して、古谷氏が「営業マン 古谷拓哉」とその場でサインを書きプレゼントを行う。抽選会に参加したファンの中には、古谷氏の現役時代のユニホームを着たファンの姿もあり「頑張ってください」と声を掛ける場面も見られた。

 その後もイベントステージに移動しじゃんけん大会を行うなど、PR大使としての仕事は続く。そして試合開始直前には始球式に登場する。当初、始球式には医食同源ドットコムの常務取締役・関水弘一氏が登場することがアナウンスされていたが、サプライズとして古谷氏の登板が準備されていたのだった。マウンドに上がった関水氏が肩を押さえ「投げられない」とアピールすると、「ピッチャー・古谷拓哉」のアナウンスが響き渡る。現役時代の登場曲だったGreen Dayの「マイノリティ」が流れる中マウンドへ。「現役を退いてからは2回ぐらい投げたかな…」と始球式前に話していた古谷氏は、現役時代同様の投球フォームでボールを投げ込む。結果は少し外れてしまったせいか、マウンド上で思わず天を仰いだ。それでもスタンドからはファンが拍手を送り、元同僚である千葉ロッテの選手たちも温かな目でその光景を見守っていた。

 試合が始まってからも古谷氏は関係者へのアテンドなど、球場内を休む暇なく動き回る。2階裏終了後にはスタンド内のコンコースで球団マスコット・マーくんとともに撮影会に臨み、ファンと一緒に写真に写った。撮影が終わるとファンの一人一人に「ありがとうございました」とガッチリと握手を交わす。古谷氏の直属の上司である千葉ロッテ営業部・吉川雅也氏はその風景を見ながら「真面目で一生懸命やっていますよ。彼が営業に来たことでお客さんも喜んでいるかもしれませんね」と部下の働きぶりをしっかりと見守っていた。

 千葉ロッテが勝利した場合、ヒーローインタビューで古谷氏が再び登場しヒーローの選手に賞品を渡す予定となっていた。しかし、この試合は3対6で敗れ再登場は幻に。こうして古谷氏が手掛けた「ISDG 医食同源ドットコムサプリメントナイター」は終わった。

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