元中日チェンが語るイチローのすごさ「いますか? 44歳であんなに走れる人?」

マリナーズのイチローとマーリンズのチェン・ウェイン【写真:Getty Images】
マリナーズのイチローとマーリンズのチェン・ウェイン【写真:Getty Images】

2016年から2シーズンをマーリンズで共にプレー

 2015年からマーリンズで3シーズンを過ごしたマリナーズのイチロー会長付特別補佐。若手選手の多いマーリンズでは、イチローの野球に対する姿勢に心酔する選手が後を絶たなかったが、元中日の左腕チェン・ウェイン投手もその1人だ。今季メジャー7年目の左腕は「イチローさんと2年一緒にプレーできて本当に幸せです」と笑顔を見せた。

 レジェンドについて語る目は、野球少年そのものだった。「44歳であの体つき、あの動き。本当に信じられませんよ!」と驚いた様子で目を真ん丸に見開き、流ちょうな日本語で繰り返す32歳左腕。野手と投手の違いはあるものの「野球に対する姿勢だったり準備だったりを近くで見させてもらって、本当に勉強になった」と話す。

 2012年にオリオールズと契約し、メジャーのキャリアを歩み始めた。オリオールズでは4年にわたり先発ローテの一角として117試合に先発、46勝32敗、防御率3.72の好成績を収めた。だが、5年8000万ドル(約87億6600万円)の大型契約を結び、2016年からプレーするマーリンズでは怪我がちで、移籍3年目を迎える今季を含め38試合に投げ、8勝9敗、防御率4.95と苦戦している。

 20代の頃は肩肘に多少張りがある状態で先発マウンドに上がることを好み、実際にいいパフォーマンスを披露できていたが、30代を迎えるころから少しずつ体に変化が現れてきた。左肘の靱帯に多少の部分断裂があり、故障者リスト(DL)に入るたびに肘の靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けないのか、という声も上がる。中日時代の2006年に一度手術を受けているが10年以上が経過。「長年投手を続けていれば、誰でも靱帯には多少の傷はあるもの。僕もまだ手術をするほどではないというドクターの判断です」と、体のケアやトレーニングに重点を置きながら最善策を模索する。

 キャリアにおけるターニングポイントとも呼べる時期に、イチローと同じチームでプレーする機会が巡ってきた。ウエイトトレーニングはほとんどしないが、体の柔軟性を保つストレッチや、治療やケアに惜しみなく時間を割く姿を見て感銘。チェンも今では、登板を終えたら次の登板まではできるだけ疲れを残さないように、体のケアを第一に調整をするようにしているという。「肩肘が少し軽すぎるかなって感じることもあるし、まだベストが何なのか探している最中。でも、少しずつ形になってきているとは思います」と話す。

「今、そしてこれから先、自分が何をできるかが大事」

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