「犠打」で躍進へ!? 一味違う2018年のヤクルト、大きく変化したデータ
小川監督、宮本ヘッドコーチのもとで犠打増加
6月1日の楽天戦、3-1で迎えた8回の追加点の好機、連続四球による無死一二塁で6番・西浦は一塁へ犠打。このあと、2点が入った。
5月26日のDeNA戦、1-1の7回では、安打で出塁した先頭・西浦を大引が投犠打で二塁に進め、決勝点につなげている。
ヤクルトと言えば、バレンティン、山田哲人を中軸とする豪快な打線が売り。本塁打が良く出る神宮球場を本拠とするだけに、つなぐ野球はそれほど得意ではない印象があった。
今季の大きな変化が、小川淳司新監督、宮本慎也新ヘッドコーチの就任によるものなのは、間違いなところだろう。特に宮本ヘッドは2001年にNPB記録となるシーズン67犠打を記録している。キャンプ中から選手にマンツーマンで指導するシーンが良く見られたが、その成果が表れつつあるようだ。
セ・リーグ犠打数5傑。
1西浦直亨(ヤ)11
1梅野隆太郎(神)11
3中村悠平(ヤ)10
4菊池涼介(広)7
4京田陽太(中)7
今季のヤクルトの遊撃手はベテランの大引が三塁に回り、若手の廣岡大志と西浦直亨が競り合っていた。当初は廣岡の起用が目立っていたが、今は西浦が定位置を確保。規定打席にも達している。西浦は.274と打率も高いが、リーグトップタイの11犠打。つなぐ野球での貢献度の高さも、レギュラー定着の一因となっている。
今季のセ・リーグは広島以外の5球団の差がほとんどない。大事な場面での犠打がチームに勝利を呼び込むケースが、これからも見られるだろう。
地味な記録だが「ヤクルトの犠打」に注目したい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)