7勝目の元Gマイコラスは日本でどう“成長”したのか 米専門家が評価した「武器」
7勝1敗&防御率2.27と快投続く、カージナルスは「良いお金の投資」
巨人からカージナルスに移籍したマイルズ・マイコラス投手が7日(日本時間8日)の本拠地マーリンズ戦で7回3安打1失点(自責0)と快投し、7勝目を挙げた。前回登板では6回2失点と好投しながら、打線の援護に恵まれず今季初黒星を喫した右腕。この試合では6回に味方のエラー絡みで1点を失ったものの、ほぼ完璧な投球だった。開幕から快進撃を続けるマイコラスについて、日本での経験にスポットを当てる米メディアも増えてきている。
MLBネットワークの番組「MLBトゥナイト」では、メジャー18年間で救援として1057試合に登板し、65勝71敗158セーブ、防御率3.64の成績をマークしたダン・プリーサック氏が「マイルズ・マイコラスに関しては、良いお金の投資ですね」と指摘。7勝1敗、防御率2.27という現在の成績を見れば、2年総額1550万ドル(約17億円)という契約は、まさに“格安”だ。
来日前、パドレス、レンジャーズの2球団で37試合登板(10先発)、4勝6敗、防御率5.32という実績しかなかった右腕は、巨人で見事に成長し、メジャー復帰をつかんだ。プリーサック氏は「彼は日本からやって来たのですが、誰もが『彼は何者なんだ?』という感じですよね。彼は2015?2017年に非常に素晴らしい活躍をしました。ヨミウリ・ジャイアンツで31勝13敗を記録したのです」と説明。そして、この日本での経験こそが、マイコラスの“糧“になっていると分析した。
「彼は日本に行きたがっていました。なぜなら、彼はどうすれば全レパートリーを駆使しながら(良い)先発投手になれるのかを学びたかったからです。2015?2017年で、彼は変化球の使い方を習得しました。時計の針の12時から6時に落ちるような実に素晴らしいカーブ、78?80マイル(約126~129キロ)のスライダー。それに加えてこれを見てください。彼は低めを投げれるようになったのです。しかし、何よりもまず、2ストライクからの高めの球です。つまり早めのカウントで低めを狙い、そこから95?96マイル(約153~154キロ)の高めの球。高めの直球こそが現代の球界において最も大きな武器となっています」
投球の映像を見ながら、プリーサック氏はこのように解説。マイコラスが多彩な武器を使ってメジャーの猛者たちを抑え込んでいることが分かる。そして、キレのある変化球、それを駆使した投球術は日本で磨いたものだというのだ。
プリーサック氏は最後にマイコラスのオールスター選出に太鼓判を押して、解説を締めくくった。今の成績なら当然、出場する権利はある。マックス・シャーザーという高すぎる壁はあるものの、シーズン終盤にサイ・ヤング賞争いを演じている可能性も十分にある。“NPB経由”でメジャーに舞い戻った右腕の快進撃はどこまで続くのか。マイコラスが投げるたびに評価を上げている。
(Full-Count編集部)