広島、再び貯金10に 最少得点差の勝利に緒方監督「今日はバッテリーの勝利」
石原を称賛「ウータンが投手をしっかりリードして1点に抑えてくれた」
■広島 2-1 楽天(9日・マツダスタジアム)
広島は9日、マツダスタジアムで行われた東北楽天戦に2-1で勝利した。広島ジョンソン、楽天則本の両先発による投手戦となったが、7回の攻防が勝敗を分けた。緒方監督は「今日はバッテリーの勝利」と、最少得点差の勝利に満足そうだった。
両先発の好投で6回までは両チーム無得点。試合が動いたのは7回だった。まず楽天が、四死球と内野安打で作った1死満塁のチャンスで嶋がスクイズを決めて均衡を破った。その裏、広島は先頭の鈴木が四球で出塁すると、続く松山はレフトスタンドにライナーで飛び込む逆転の2ランを放ち、これが決勝点となった。
緒方監督は「ウータン(石原)が3人の投手をしっかりリードして1点に抑えてくれた」とベテラン捕手を勝因に挙げた。さらに夫人の出産の立会いで一時帰国し、約3週間ぶりの1軍マウンドとなったジョンソンについても「復帰初戦で不安もあったが、立ち上がりからいい調子だった」と評価し、「先発の人員が固まっていない状況で、やってくれないと困る投手」と、エース左腕の今後に期待した。
打線は則本に6回まで無得点に抑えられた。それでも「得点圏に進めた場面でも素晴らしい投球をされたし、あれだけ低めに決められたらなかなか打てない」と緒方監督も脱帽したパのエースから、松山が逆転の一発を放った。「前の打席の感覚が良かったみたいだから」と指揮官が褒めた一発で、チームは6カードぶりの勝ち越しを決めた。
先発投手の2試合続けての好投で連勝したチームは貯金を2桁の10に戻し、交流戦成績も5勝5敗と勝率5割とした。崩壊状態となっている中継ぎ陣の再整備など、まだまだ課題は残るが、頼れる左腕が復活したチームは再加速の波に乗りつつある。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)