田澤純一、移籍後初の実戦形式は9球で3死 早ければ来週頭にも3A合流へ
ルーキーリーグで実戦登板「また上で投げられるように」
タイガース傘下マイナーの田澤純一投手が15日(日本時間16日)、フロリダ州レイクランドの球団施設で、移籍後初となる実戦形式登板を行った。ルーキーリーグの若手相手に9球で3アウトを奪う圧巻投球で、同球団でピッチングコーディネーターを務めるA.J.セイガー氏は「正式決定はしていないが、早ければ来週早々にも3Aに合流できそうだ」と話した。
力強いピッチングが戻りつつある。気温30度を超える猛暑のフロリダで、ルーキーリーグの若手たちとともに汗を流し、コンディションを整えている右腕。入念なアップからノックなど春キャンプと同様のメニューを行った後、ブルペンでの投球練習を経て紅白戦の登板に臨んだ。
1人目の左打者を1ストライクから2球目で三ゴロに打ち取ると、2人目の左打者は2ボール1ストライクから4球目で中飛、3人目の右打者は2ボールから3球目で詰まらせて投ゴロに仕留めた。わずか9球で3アウト。力強いストレートを中心に、若手たちを圧倒した。
4日に契約合意と発表された後で球団施設へ合流。ブルペンでの投球練習を2度、フリー打撃登板を1度経て、この日の実戦形式での登板となった。この様子を見届けたピッチングコーディネーターのセイガー氏は「かなりいい球を投げていると思う。私は彼の絶好調がどの程度なのか、しっかり把握できていないが、ほぼ絶好調に近いにせよ、ここからさらに状態が上がるにせよ、今でも十分いい球を投げている」と高評価。「最終決定ではないが、早ければ来週早々にも3Aに合流できそうだ」と今後の見通しについて話した。
「チャンスを与えてくれたことに感謝したい」という田澤は、「ルーキーリーグだろうが、3Aだろうが、自分がやるべきことは変わらない。しっかりと状態を上げて、また上(メジャー)で投げられるようにやり続けるだけです」と充実の表情を浮かべる。
渡米10年目で初めて経験した戦力外は「しなくてもいい経験だけど、これを生かせるかは自分次第」。一回り大きく成長するための試練と受け止め、メジャー3球団目で新たな1歩を踏み出した。
(佐藤直子 / Naoko Sato)