批判を称賛へ変える松坂大輔、かつての本拠地に帰還 再び所沢のマウンドへ

中日での好投で批判の声を称賛へと変えている松坂

 捲土重来を期していたはずの松坂だったが、ここでも相次ぐ故障に苦しめられて1軍登板すらままならない事態に。在籍3年間で唯一の登板となった2016年10月2日の楽天戦では1イニングを5失点(自責点2)と散々な結果となり、残ったのは1試合で防御率18.00という数字のみ。かつての輝きを知る人々からすれば、ソフトバンクでの3年間はあまりにも寂しい結果に終わっていた。

 それでも、松坂は現役続行を諦めることなく、中日の入団テストを受けて契約を勝ち取り、自身初めてセ・リーグの球団でプレーすることに。故障続きだった過去3年間の経過を理由に懐疑的な視線も少なからず向けられていたが、かつての怪物は自身のピッチングによって批判の声を称賛へと変えている。

 松坂はここまで7試合に登板して3勝3敗、防御率2.41と上々の数字を残しており、先発陣の一角として奮闘している。6月8日のソフトバンク戦では味方の守備の乱れもありながら5回1失点と大崩れすることなく試合を作り、古巣相手に好投を見せて見事に勝ち投手となった。

 現在の西武はユニホームも含めて松坂が在籍していたころとは大きく様変わりしているが、かつてバッテリーを組んだ経験も持つ炭谷をはじめ、栗山や中村、そして松井稼頭央といったかつてのチームメートたちも在籍している。先述の3選手はともに交流戦に入ってからも出場機会を得ており、かつての戦友たちを相手に松坂がどのようなピッチングを披露してくれるかも見ものだ。

 若き日に圧倒的な存在感を示した所沢のマウンドに上がるのは、「平成の怪物」にとってはおそらくその平成で最後の経験となるであろう。長きにわたった苦難の日々を乗り越えて、再び1軍の舞台へと帰ってきたかつてのエースを迎えて行われる試合は、松坂本人のみならず、ライオンズを愛する多くの人々にとってもきっと特別なものとなるはずだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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