日ハム公文、開花の兆しを見せる元G左腕 吉井Cの一言がきっかけに
今季23試合に登板し防御率1.16と抜群の成績を残す
日本ハムの中継ぎ左腕、公文克彦投手が好調だ。今季23試合に登板して、防御率は1.16と抜群の成績を誇る。
巨人から移籍2年目、今やチームに欠かせぬリリーバーになった。交流戦最終戦となった18日の広島戦(マツダスタジアム)では3点リードの6回に2番手で登板。2死から丸に左前打を許した後、4番の鈴木に圧巻の投球を見せた。フルカウントからファウルで粘られたものの、最後は足元近くを襲うスライダーで空振り三振に仕留めた。
この場面が象徴するように、インステップから内角をえぐるボールを投げ込み、右打者に圧倒的な強さを誇る。左打者の被打率.283に対して、右打者は.190だ。左、右、左、右と続く広島の1番から始まる打線を無失点に抑え、反撃の糸口を与えなかった。
「右(打者)の方が抑えているので、1イニングいける良いリリーバーになる」と吉井理人投手コーチの評価は高い。41試合で防御率2.70だった昨季と今季の違いについて問われると、少し考えてからこう言った。「特に変わったところはない。去年から素晴らしい投球をしていたので。変わったとしたら、去年よりも監督の信頼度が上がったこと。いいところで使ってくれている。その差じゃないかな」
ホールドポイント数は6(1勝5ホールド)で、宮西、石川直、トンキン、西村に次ぐチーム5位ながら、投げる度に信頼度を上げている。4月22日ソフトバンク戦から6月12日阪神戦まで17試合連続無失点。投手陣で防御率1点台は、公文と防御率1.56の宮西尚生投手の2人だけだ。
「17試合無失点の時は真っすぐでしっかり腕を振ることができ、その分スライダーも良かった。バロメーターは真っすぐです。今は若干落ち気味ですが、フォームの修正ポイントは分かっているので」と公文は落ち着いた口調で自己分析する。