1軍での課題は「全部」も…今、ホークスの20歳内野手・川瀬晃がおもしろい

正面の打球を後逸 守備面では大きな課題も

 2度目の昇格で数々の好プレーを見せた川瀬も、守備面では大きな課題も残した。17日の広島戦では、2度に渡ってほぼ正面の打球を後ろに逸らした。記録上エラーにはならずレフト前ヒットとなったものの、1軍の内野手としては“やってはならない”プレーだった。

 特に2度目は二、三塁に走者を置いての前進守備。2軍監督時代から川瀬の成長を見届けてきた水上善雄内野守備走塁コーチは「あれは顔面に打球を当ててでも走者を返してはいけないプレー」と厳しく評価した。この日は大差での敗戦で目立たなかったものの、「1対1のスコアであんなプレーをしていたら、ベンチは『使えない』という評価を下してしまう。2軍時代からグラブだけでいこうとする癖はあった。もっと身体ごと打球に向かっていくような、闘争心を出した守備をしないと。そこが課題かな」と指摘した。

 さらに初めて二塁手として出場した19日のヤクルト戦では、2回にプロ初打点となる先制の2点タイムリーを放ちながらも、6回には手痛いタイムリーエラーで一時逆転を許すきっかけを作るなど、若手を露呈した。

 ただ、その一方で「最初の昇格で併殺打に倒れても、それを引きずることなくしっかりといい守りができた。2軍時代は守りと打撃のどちらかがダメだと引きずるところがあったが、きちんと切り替えられるようになったのは1つの成長」と、水上コーチ。セーフティバントについても「打線の中での自分の立ち位置、役割をしっかりと考えている証拠。2軍でもずっとそういう考えができる子でした」と目を細めた。

 川瀬は、1軍での自らの課題を「全部です。2軍なら『ここを重点的に』で済むけど、1軍にいる以上はすべてでレベルアップしないといけないと思います」と語る。今はいいプレーも課題が残るプレーも、すべてが勉強だ。

 高卒3年目で、2年後には大学に進んだ同級生たちが同じプロの世界に入ってくる。その時までにどんな成長を遂げているのか、それが楽しみな選手だ。競争が激しいソフトバンクの中で、その名のとおりにひと際“ヒカル”存在になっていくことを願いたい。

【動画】ホークスの20歳・川瀬が面白い…「秘打」ワンバウンド打ち &軽くて早い華麗な一回転スロー!

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY