ハム宮西、目前に迫る日本記録 11年間の積み重ねと、わずか4センチの変化

「自分の感覚を一番大事にして、いかに状況に合わせてできるか」

 その時に溜まった疲労がいま表れ始めている。「今が今年一発目のヤマ場」と笑うが、新人から10年連続50試合以上登板を果たしている左腕は、その乗り越え方も熟知している。

「まずは自分の体を知ること。投球フォームを修正したり、投げ込んだり、あまり投げずに体のケアをしたり。何がいいのかは、その人にしかわからない。その辺の見極めが大事。コンディションが悪い中で投げても崩すだけなので」

 今月5日には扁桃腺炎で体調を崩した。交流戦終盤は札幌ドームで行っていたウエートトレーニングも休止し、コンディションを整えることを最優先した。「コンディションが整ったら再開しようと思っている。ここまでは思い通りに来ている。ここから登板の仕方がずれてくるので、自分の感覚を一番大事にして、いかに状況に合わせてできるか。それができるかできないかで、終わったときの数字が違ってくる」と話す。

 日本記録はあくまで通過点。優勝争いするチームでフル回転することが使命だ。今目の前にある山場を乗り越えて、日本記録を達成、その先には再び調子の上昇カーブを思い描いている。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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