「いかに腹をくくれるか」―メジャーでも圧巻の活躍、平野佳寿の“こだわり”

コンディション維持のため重視すること「いかに腹をくくれるか」

 週1回投げる先発投手と異なり、ブルペン投手は常に投げられるように準備しておく必要がある。連日のように試合が続くので、コンディションが完璧でない時も多いはずだ。

「ブルぺンで調子が悪い時の方が慎重になるので結果が良い場合が多い。逆に球が走っていたりすると、上半身主導になってしまいバランスが崩れる。そういう部分は注意している。調子が良い時ほどより慎重に」

「調子が悪い時ほどより下半身を意識して股関節の運動をする。股割りやスタンスを広く取っての重心移動などですね。下半身をしっかり使う、ということを頭も身体もしっかり意識する。そうすることでバランスが修正されてくる」

「極端に言うと、完璧な状態でマウンドに上がれることはほとんどない。だからいかに腹をくくれるか、だと思う。まぁ、こんなに調子が悪いからしょうがない、良い方法を考えようとね。それがブルペンで仕事をするコツのようなものじゃないかな」

 もちろん、ストレートだけでは並みいる強打者を打ち取ることはできない。ストレートを軸にスプリットを投げ、そして、投球フォームの中で工夫するなどして打者のタイミングをずらすことを重要視している。

「空振りを取りたい時もある。でも、なかなか簡単にはいかない。だからいろいろな状況を想定して引き出しを増やさないといけないと思う。プロ入りしてから考えるようになった。(プロ)1年目も結果は出ましたけど、それでも打たれる時は簡単に打たれてしまった」

 オリックス入団1年目からローテーション投手として活躍。10完投のうち4完封勝利。新人時代から順風満帆に見えたが、本人はそうでもなかったという。

「プロに入ってすごく早い時期に気づかせてもらったのが大きかった。いきなり新人のオープン戦でつまずいて、2軍行き。ここで自分の投球スタイルとは、をしっかりと考えることができた。それが今につながっていると思う」

「タイミングが狂えば打者は自分自身のスイングができない」

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