日本ハム宮西が通算ホールド日本タイ記録 吉井コーチが語る鉄腕の凄さ
吉井コーチが挙げる象徴的な試合「本当にすごいピッチャー」
(3)洞察力
「誰と勝負するのか、しないのか。その判断は根っからのしたたかなリリーバーだなと思います。普通は怒られるから四球を嫌うけれど、平気で歩かせて、次のバッターと勝負する。フルカウントからボール球を投げる勇気も持っています。一昨年の日本シリーズでも広島の丸との対戦で最後にボール球を振らせましたよね(※注1)。ああいう洞察力は、年数を重ねて身につけたものでしょうが、誰にでもできるものではありません。本当にすごいピッチャーだと思います」」
一方、自身も同じリリーフ左腕だった高橋憲幸コーチは「ここがいい」と頭を指差した。「状況を見て、空気を読める。スイッチのオンとオフが上手。それは何年もやってつくりあげたもの」と長年活躍を続ける要因を指摘する。
ブルペン担当だけに、試合中は宮西はじめリリーフ陣と一緒に過ごす。試合の状況を見守り、準備をする中で宮西が若手に与える影響を日々、目にしている。「若手に言葉を発していろいろ伝えている場面も見かけるし、背中で見せているところも感じ取れる」と高橋憲コーチは大きな信頼を置いている。
(※注1)16年10月26日の日本シリーズ第4戦、9回2死満塁で宮西が広島・丸をフルカウントから外角に逃げるスライダーで空振り三振に仕留め、3-1で勝利した。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)