近鉄ドラ1のDNAを受け継ぐ新鋭 侍J女子日本代表最年少が走攻守で存在感

打席に立てばフルスイングが信条「スイングで流れが変わる」

「送球にもいろいろなステップがあって、二塁への送球でも3個ぐらいあるんです。今まで考えたこともありませんでした。でも、まだものにできていないので、練習しなきゃいけないです」と嬉しそうに語る。

 物怖じせず年上の相手に質問できることは強み。新しい知識を柔らかいスポンジのようにぐんぐん吸収している。世界一の投手である里からは投手心理を学んだ。「周りは打たせろと言うけど、ピッチャーだって打たせたいんだよ」という里の言葉を聞いて、ハッとした。「そういう時にどういう言葉をかけたらいいのか考えています。ピッチャーに気持ちよく投げてもらえるように」と素直に答えを探る。

 打席に立てば、フルスイングが信条。「全力で振るだけ。中途半端だと、勢いづけられない。スイングで流れが変わることもありますから。とにかく元気で全力です」と笑う。1965年ドラフト1位で投手として近鉄に入団した祖父の田端謙二郎さんのDNAを受け継ぐ。167センチと恵まれた体格に野球センスも抜群だ。「打っても走っても守っても器用でオールマイティ。たくさんいい勉強をしてほしい」と橘田恵監督が寄せる期待は大きい。

 日本がワールドカップで初優勝した2008年には7歳だった。そこから連覇をつみ重ねてきた代表に初めて加わる。「もしこの代で負けたとなれば、この代は弱かったということになる。そこにいたとなるのは嫌。絶対に6連覇したいです」と負けず嫌いの一面ものぞかせた田端。怖いもの知らずの最年少らしく、思い切りの良さでチームに貢献する。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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