「とんでもない選手に」― 超一流のフィジカル誇る西日本短大付のドラフト候補

監督は絶賛「父親に似て頭の回転が良いし、野球の基礎もしっかりしている」

 父は1992年の夏に甲子園を制した西日本短大付の主将だった中村壽博氏である。早大でも大学日本代表に選出されるなど活躍し、監督としても2003年に日本文理大を九州勢初の全日本大学野球選手権優勝に導いたアマチュア球界屈指の野球人だ。しかし、親子間で野球の技術に関する会話はほぼなく育ったという。

「父は感性を重視する人なので、自分が悩んでいる時も『練習をしていく中で感性を磨きながら、感覚のズレを解消していくしかない』と、技術についていろいろと言われたことがないんです」

 それでも父のことはリスペクトしてやまない。甲子園の決勝戦と東京六大学リーグで首位打者を競った絶頂期の映像は、大分市の実家で何度チェックしてきたかはわからない。

「父親に似て頭の回転が良いし、野球の基礎もしっかりしている。ただ、頭の中に描いているイメージどおりに、まだまだ使いこなせていないはず。それができればとんでもない選手になりますよ」

 西村監督はこう言う。この後の南福岡大会の中で超一流のフィジカルと父親譲りの感性をマッチングさせながら、中村はさらに進化を続けていくに違いない。

(加来慶祐 / Keisuke Kaku)

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