大谷翔平の手術回避は「現状で正しい決断」 米メディア支持、その理由は…

「当然のことではあるが、理想的なシナリオは…」

 その上で、「今シーズンにエンゼルスがプレーオフへ進出する可能性はほとんどなくなってしまった今、ルーキーイヤーである今シーズンの残りで打者オオタニに力を出しきってもらう価値があるのか? それともエンゼルスは彼のシーズン終了を宣言し、彼の肘の怪我を完治させるために手術を受けさせるべきなのだろうか?」という悩ましい“問題提起“を行っている。「前例のないオオタニの能力は、エンゼルスの首脳陣にとって前例のないジレンマをもたらしている」というのだ。

 現時点で、エンゼルスが取ることができる選択肢は3つあるという。1つ目は「今季中に手術」、2つ目は「打者として出場を続けて今季終了後に手術」、そして3つ目は「手術なし」だ。記事では、その3つをチームの勝利への貢献度を示すセイバーメトリクスの指標「WAR(Wins Above Replacement)」の数値で比較している。

 3つ目の「手術なし」では投手での復帰を2019年と推定。その他の2つ、つまり手術した場合は投手復帰は2020年としている。打者での数値は2019年に違いが出ており、「今季中に手術」が最も高くなっているものの、投打両方での2020年までのトータルのWARは「今季中に手術」が4.3、「打者として出場を続けて今季終了後に手術」が3.9、「手術なし」が6.6とはじき出されている。

 記事では「当然のことではあるが、理想的なシナリオは投手オオタニが手術を経ずに復帰し、その間にエンゼルスが打者オオタニの活躍を享受するということだ。これにより、向こう3シーズンにおける予想WARが6.6という成果が生まれることになる」と分析。そして、「エンゼルスはオオタニの処遇に関して、現状では正しい決断をしている」とも指摘している。

 もちろん、「手術なし」を選択しても、途中で悪化して結果的にメスを入れるというリスクは伴う。ただ、特集では「当面、手術を先送りにすることで、エンゼルスはオオタニに1年かそれ以上のシーズンを棒に振ることなく肘の治癒をするチャンスを与えた。と同時に、彼が打者として更に成長するチャンスをも与えたのだ」と言及。今シーズンを打者だけで終えるとしても、メジャーの投手たちとの対戦経験を積むことができ、新人王獲得のチャンスが広がるとも伝えている。

 プレーオフ進出の可能性もまだ消滅したわけではない。さらなるインパクトを残し、エンゼルスを押し上げる活躍に期待したいところだ。

(Full-Count編集部)

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