「チームのお母さん」―侍ジャパン女子代表の“スター”川端友紀は精神的支柱
川端に憧れる若手選手も「オーラが半端ないです」
「監督のやりたい野球が、新潟合宿で分かってきました。バントや盗塁を組み合わせて、確実に1点ずつ取る。ヒットがなくても点を取る。1点の積み重ねを大事にする野球」と指揮官の意図を明確に理解した。侍ジャパン初の女性監督となった橘田監督が目指す野球を率先して実行していく。
女子野球界を代表するスター選手。若い選手の中には、川端に憧れ、日本代表を目指した選手も多い。最年少の田端凜々花捕手(17)が「オーラが半端ないです」と言えば、初代表の田中美羽内野手(20)も「憧れの存在で、小さい頃にサインをもらったこともあります」と明かす。
そんな年下の選手たちとも川端は良好な関係を築いている。「新潟の合宿で壁がなくなりました。若い子たち、普通にいじってきますよ。いい雰囲気です。ただ、緩んでばかりじゃダメなので、やる時はやるスイッチを押さないといけないと思っています」と言う。そのスタンスはまさに“大家族を支えるお母さん”と言えるかもしれない。
新監督の下で挑む6連覇。「プレッシャーを感じないわけではありませんが、それに打ち勝つことを楽しみたいです」と頼もしい。最大のライバルには、アメリカの名を挙げた。
「(12年の)カナダ大会の予選で負けていますし、(14年の)宮崎大会は際どい試合でした。怖さは常にあるので、油断せずに戦いたいです」
◆川端友紀(かわばた・ゆき)1989年5月12日生まれ。大阪府貝塚市出身。和歌山商高、塩野義製薬ではソフトボール選手だった。2010年から女子プロ野球選手として活躍し、MVP(13年)、首位打者(10、11、13年)など多数のタイトルを獲得している。今回は12、14、16年に続く4度目の代表入り。埼玉アストライア所属。170センチ。右投げ左打ち。