郷愁を感じる舞台で若武者が躍動…フレッシュオールスターゲーム現地リポート

第2打席で本塁打を放った日本ハム・清宮幸太郎(左から2人目)【写真:(C)PLM】
第2打席で本塁打を放った日本ハム・清宮幸太郎(左から2人目)【写真:(C)PLM】

注目を一身に集めたハム清宮が第2打席に豪快アーチ

 この日の試合の主役はイースタンの清宮幸太郎内野手(日本ハム)だ。試合前に行われたサイン会でもファンの列はなかなか途切れず、最後の1人になっても対応を続ける。報道関係者からのリクエストも多いようで、練習時もせわしない。ひとたびバットを持てば大型ルーキーならではの存在感をたっぷりと醸し出すが、ベンチに戻る時には厚みのある身体をすぼめるようにして引き上げていく。周囲からの群を抜く注目度の高さは、スター候補生の宿命でもある。

 試合が始まり、名前がアナウンスされると、場内にいる誰もが背番号「21」の打席を追った。客席から一斉にスマートフォンとタブレットが掲げられ、「清宮だよー」「お前観るために来たんだー」など声援が飛ぶ。すると、球場入口は駆け足のファンで慌ただしくなり、ビールの売り子も足を止めて打席の行方を見守った。第2打席に放った豪快アーチで、優秀選手賞とともにスポーツニュースのトップを飾る注目をかっさらったことは、ご存じの通りだ。

 試合は、ウエスタンが24アウトのうち13個を三振で奪うなど、3-1で勝利を飾った。若い選手が1つ1つのプレーにみなぎらせた活力と笑顔が印象的で、両軍とも出場選手がポテンシャルの高さを見せつけた。試合前、視察に訪れていた野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督(トップチームとU-23代表を兼任)が口にした「若さを前面に出して、のびのびやってくれたらいいのかなと思います」との思いにも応えられたのではないだろうか。

 今回の出場メンバーの中から、将来の日本代表選手はもちろん、今秋に行われるU-23ワールドカップに“飛び級”で出場する選手が現れる可能性もある。笑顔を真顔に変えて、世界を舞台に戦う姿にも期待したくなる一戦だった。

(「パ・リーグ インサイト」藤原彬)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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