難病と闘いながら出場を続けるオリ安達、今季はついに初GG賞のチャンス!?
ホークス今宮が1か月の負傷離脱、名手・安達に初の栄冠のチャンス
翌2017年は打率.203と不振に陥り、シーズン最終盤には潰瘍性大腸炎が再発して入院のために戦線離脱を強いられるなど、試合に出場できるようになったとはいえ難病は未だ完治には至っていない。しかし、今季はここまで81試合に出場し、病気の発症後では初めて盗塁数を2桁(11盗塁)に乗せるなど、体調面でも少なからず復調を感じさせる要素が増えてきている。
そんな安達に対し、思いがけない形で朗報が舞い込んできたのはマイナビオールスターゲーム2018。プラスワン投票で選出された日本ハムの大田泰示外野手が、残念ながら怪我で辞退を余儀なくされることに。それを受けて、得票数で2位だった安達が繰り上がりで選出される形となった。安達は本拠地・京セラドーム大阪で開催される球宴に、プロ7年目、30歳で初出場を果たしたのだ。
「ファンのみなさんのおかげだと思いますので、素直に嬉しいですね」と喜びを語った安達は、本拠地で行われた第1戦でスタメン出場を果たすと第1打席でヒットを放ち、直後に盗塁を決めて自らの持ち味を発揮。さらに「自分の持ち味は守備だと思いますので、いい守備を見せられるように頑張ります」との言葉通りに5回表にはヒット性の打球を好捕し、走攻守全てでらしさを存分に披露してみせた。
広大な守備範囲と的確なポジショニングによって難しいゴロも正面で捌くケースが多いことから派手さこそないものの、UZRやレンジファクターといった守備指標でも軒並みリーグ最高クラスの数字を残している安達は守備の名手として広く認められている存在だ。しかし、2013年から5年連続でパ・リーグの遊撃手部門を独占している今宮健太の存在もあり、これまでゴールデングラブ賞とは縁のない野球人生を送ってきていた。
だが、今季はその今宮が6月から怪我により約1カ月間の長期離脱を強いられており、登録抹消前も右肘の痛みもあってか攻守ともに本調子とは言えなかった。そのため、今季は少なからず趨勢が変わる1年となる可能性もありそうだ。安達が闘病を乗り越えてパフォーマンスを安定させたままフル出場に近い数字を残せれば、シーズン終了後には自身初の栄冠をつかんでいる可能性も出てくるかもしれない。
オールスターへの出場が決まった際、安達は「自分と同じ病気の方たちもそうですが、違う病気の方たちにも励みになるような、元気なプレーをしたいと思います!」と語っていた。現在も難病との戦いを続ける男は、夢舞台での経験を経て臨む後半戦でも攻守に躍動し、そのプレーを通じてきっと人々の心を熱くさせてくれるはずだ。