“安打製造機”福浦和也が7月に猛チャージ 射程内に入った今季2000安打達成
スロースタートで今季到達は危ぶまれたが…
打者にとっての大きな勲章となる「2000本安打」。今年は5月9日にソフトバンクの内川聖一が達成しているが、今季中に達成の可能性があるのは、7月21日終了時点で残り16本に迫ったロッテの福浦和也だけになっている。
福浦は千葉県習志野市生まれ。習志野高校を経て、1993年ドラフト7位でロッテに入団。入団から3年間はファーム暮らしだったが、97年に1軍に昇格すると、2年目には打率.284(12位)と好成績を上げ、正一塁手になった。
シュアな打撃で2001年には首位打者となり「千葉の安打製造機」の異名を執る。また巧みなグラブさばきでゴールデングラブ賞を3回受賞。一塁守備の名手としても知られた。
千葉出身で千葉の球団一筋25年、最高のフランチャイズプレーヤーと言われる。
しかし、2009年を最後に規定打席には到達せず。近年は控えに甘んじ、安打数も2016年は20本、2017年は30本と低迷。昨シーズン終了時点で2000本安打まで、あと38安打となっていた。
今季からロッテを新たに率いる井口資仁監督は、福浦の2000本安打への挑戦に理解を示し、今季も現役続行が決まった。
今季ここまでの福浦の月間打撃成績を見てみよう。
3・4月 24試63打13安0本4点 打率.206
5月 9試11打1安0本1点 打率.091
6月 8試14打1安0本0点 打率.071
7月 11試17打7安0本0点 打率.412
通算52試105打22安0本5点 打率.210
開幕当初は「7番・DH」でスタメン出場するなど大いに期待をかけられていたが、次第にバットが湿ってくる。今季のロッテは新人の菅野剛士、藤岡裕大など若い野手の抜擢が相次ぎ、さらには井上晴哉が中軸に定着するなど、打線が大きく変化しつつある。
そんな中で、福浦は5月には一時2軍で調整。5月と6月はそれぞれわずか1安打に終わった。6月終了時点で通算安打数は1977安打。残り試合で23安打を打つのは極めて厳しいと思われた。
しかし、若手選手が不振に陥る中で、福浦は7月に入ると次第に復調する。
7月8日・日本ハム戦「代打」右前打
7月9日・西武戦「代打」右前打
7月10日・西武戦「6番・DH」右前打、右前打、左飛
代打起用に応えて安打を連発。オールスター明けも6打数2安打と好調を維持し、7月20日には代打で敬遠されるなど、他球団の投手には再び怖い存在になりつつある。
1975年12月生まれの福浦は、今季中に2000本安打を達成すれば、和田一浩の42歳11か月に次ぐ史上2番目の高齢記録となる。
今も本拠地ZOZOマリンスタジアムでは、福浦和也はの名前がコールされると、他の選手よりも大きな声援が沸く。
あと16安打は決して楽な数字ではないが、福浦の最後の頑張りに期待したい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)