報徳学園・長尾が晴らした春の雪辱 大角監督も称賛の一発

先制アーチを放った報徳学園・長尾【写真:沢井史】
先制アーチを放った報徳学園・長尾【写真:沢井史】

4回に先制アーチで均衡破り、春に敗れた滝川二に勝利

 第100回全国高等学校野球選手権記念東兵庫大会は22日、4回戦が行われ、報徳学園が滝川二を4-2で破って準々決勝に駒を進めた。

 試合後、接戦を制した報徳学園の大角健二監督が「この一打は大きかった」と振り返ったのが、4回に飛び出した3番・長尾亮弥の先制アーチだった。

 両校無得点で迎えた4回。5球目のインコースのストレートを思い切り振り抜いた。「ストレートに詰まらされているのが分かりました。でも、そのストレートを敢えて狙いました。公式戦は初めてのホームランです」。先制の一発を放った長尾が誇らしげに話した。

 3か月前に滝川二に敗れた春の県大会2回戦でもスタメン出場していた長尾。だが、その直前3月に左鎖骨を骨折し、手術を受けていた。チームに合流出来たのは、その滝川二戦の直前。もちろん、練習もまともにできていない。左打ちのため、バットを構えると左肩に力が入り、プレートを入れた患部には痛みが走った。

「正直なところ、ちゃんとバットを振れるような状態ではありませんでした」。その試合で二塁打を放ち、唯一ホームを踏んだが、思うようなスイングができず、大一番で力を発揮できなかった自分が悔しかった。

 ベスト4に進出した昨年のセンバツでは全4試合でスタメン出場し、全試合でヒットを放った。新チームから3番打者として名を連ね、周囲から認められるミート力の高さだけでなく、小柄ながらパンチ力もある。

 ただ、前を打つ小園の存在は、やはりあまりにも大きい。「アイツ(小園)だけ、ちょっと違います。今日のホームランも、やっぱり違うな、と。あんな場面で打てるのはさすが」と、仲間に羨望の眼差しを送る長尾。春の滝川二戦では最後のバッターとなったが、再び訪れたリベンジの機会では最高の結果を残してみせた。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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