浦和学院が5年ぶりの夏甲子園 森監督は長男のコーチに「本当に感謝している」
投手陣再建を託された森監督の長男・大コーチ
その中でも指揮官が特に謝辞を述べたのが、豊富な投手陣をまとめ上げた森大コーチだ。監督の長男で10年前の記念大会では、浦和学院の投手として甲子園にも出場した。先発したエース右腕の渡邉勇太朗が、今大会最長となる7回を投げて被安打8の自責点1。続いて2年生の永島竜弥、さらに1年生の美又王寿とつなぎ、9回は防御率0.66と今春の6連覇の立役者でもある背番号1の河北将太で締めくくった。
このほかに近野佑樹、佐野涼弥と先発能力のある左右の投手がめじろ押し。プロ球団並みの顔触れを指導した森コーチは「3年生は入学時から優秀な投手がそろっていたが、みんなが地道に努力したから、これだけの投手陣が出来上がったのでしょう。甲子園でも力を一つにして戦いたい」と笑みが絶えなかった。河北はしみじみと、少しだけ目を潤ませながら言った。
「僕なんて1、2年の時はベンチに入れる力もなかったのに、森コーチから私生活を含めて指導していただいたおかげです。甲子園で絶対に恩返ししたい」
指揮官は昨夏の花咲徳栄の全国制覇に大いに刺激を受けた。先を越されてショックも大きかったそうだ。「甲子園の戦い? うちは投手が揃っているから総動員でやっていきたい」と頂点までを遠望する。埼玉で生まれ育った渡辺は、小さい頃から浦和学院にあこがれ、縦じまのユニホームを着て甲子園で優勝することを夢見てきた。「うれしい。森監督を胴上げするのが目標でしたが、次は甲子園で胴上げしたい」と埼玉県勢の連覇に思いをはせた。
全国選手権は史上最多の56校が参加して8月5日から17日間、甲子園球場で開催され、組み合わせ抽選会は同2日に行われる。
(河野正 / Tadashi Kawano)