願う猛暑対策の広がり 確かな効果があった京都大会の対応策とは…

対策を講じて行われた22日は救急搬送どころか、医務室に運ばれた人もいなかった

「やはり多いのは水分を摂っていない人、朝ご飯を食べていない人、睡眠不足の人です。なので、せめて水分は応援団も3回、5回、7回が終われば絶対に摂ること。スタンドでそこはしっかり見ていただいて、水分を率先して摂ってもらうようにしました」(井上理事長)

 徹底事項を繰り返し周知することで、学校側にも自然と緊張感が生まれ、生徒側も気がつけば水分を摂るようになるなど、選手だけでなく球場に詰めかける学校の生徒なども熱中症対策を率先して行うようになった。去年までは学校側がほとんど用意していなかった経口補水液も、ほぼ全校が用意。その甲斐があって、22日は救急車どころか医務室に運ばれる人も1人もいなかったという。

 ただ、準々決勝の4試合目はナイターとなり、帰宅時間や生徒らの疲労などを懸念する声がインターネット上にあがっていた。4試合目でもスタンドには多くのお客さんが詰めかけていたが、3試合目の時間が少々長引き、開始が19時となったうえ延長戦になったため、生徒らの帰宅時間を懸念するアナウンスも流れた。苦渋の決断の中に、さらに新たな問題が生まれたが、今回は応急処置として判断された日程。来年以降は準々決勝を1日2試合ずつにするなと、検討の余地がありそうだ。

 時間変更に伴い、試合時間が夜間となるため球場関係者の業務量も増えてしまうが「球場側は全面的に協力してくださっているのでありがたいです」と井上理事長は話す。24日の休養日を挟み、25日の準決勝も第1試合は8時半、第2試合は11時開始。決勝戦は朝の9時開始予定としている。

 敢えて夕方からにしなかったのは「早く始めた方が選手たちの体の負担が少ない。午後にすると(アップなどの)準備時間は昼間になるので、どのみちキツイでしょう」と少しでも選手らの負担にならないよう配慮をしている。大会の開催が決まっているこの段階で、いきなり会場や開催時期の変更は難しい。だが、その中で熟考を重ね、現地で動き回る関係者も多くいる。

「一番大事なのは選手の健康面。その中で応援団の生徒や審判の方々、もちろん観客の方の健康面へ最大の配慮も第一です。盆地で暑さに慣れているはずの京都の人間でも、今年の暑さは異常に感じます。この暑さへの対策は連盟の中で相談した上で決断しましたが、これからも考えることはありそうですね」。延長戦になったことで、試合時間に関しても新たな問題が生まれたが、13時半からの試合開始時間を変更せずに行っていたら熱中症の人が続出していたかもしれない。

 何もしないより対策を講じた連盟は素晴らしいという声もあるが、こういったケースも踏まえ、来年以降の日程は慎重に考えていく必要がある。

(沢井史 / Fumi Sawai)

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