背番号「18」同士のトレード ロッテ岡と日ハム藤岡は新天地で覚醒するか

藤岡貴はルーキーイヤーに6勝、その後は中継ぎへ

 藤岡貴は桐生第一高校から進学した東洋大学で絶対的なエースとして大活躍し、圧倒的な成績を残したことで2011年のドラフトでは目玉選手のひとりとなっていた。そして、3球団競合の末に抽選でロッテへの入団が決まり、エースナンバーの「18」が与えられるなど入団当初から将来を嘱望される存在だった。

 その期待に応え、1年目から開幕ローテーションに入って4月までに早くも3勝をマーク。順調なスタートを切ったかに思われたが、その後は思うように勝ち星を伸ばせず。21試合で6勝7敗、防御率3.36という成績に終わり、有力候補とされていた新人王も同期入団の益田直也投手が受賞するなど、開幕前の期待値を思えばやや不満の残るルーキーイヤーとなってしまった。

 翌2013年からは2年続けて6勝10敗という数字となり、2015年からは中継ぎとしての登板が主になっていく。プロ入り当初の高い期待にはなかなか応えきれずにいたが、それでも入団以来5年続けて20試合以上に登板し、そのうち4度は防御率3点台以内と、慢性的な左腕不足に悩むチームにあって貴重なサウスポーとして奮闘していた。

 とりわけリリーフに専念した2016年は開幕から好調で、イニング跨ぎもいとわずに大車輪の活躍。途中まで防御率1点台をキープするなど成績を大きく向上させ、中継ぎ左腕として新境地を開拓しつつあった。しかし、シーズン中盤以降に離脱した影響で32試合の登板にとどまり、不運な形で大きな飛躍のチャンスを逃すことになってしまった。

 翌年も中継ぎとして10試合に登板したが、防御率16.62という大不振に陥り、プロ入り後ワーストのシーズンを送ってしまう。先発に完全転向して臨んだ今季はさらに苦しいシーズンとなり、イースタンでも13試合で防御率4.20と不振から抜け出せず。1軍での登板機会はここまで1度も得られていなかった。

 ここ2年間はスランプにあえいでいたが、そのポテンシャルの高さはアマチュア時代から広く認められていた。球威が2016年に近いレベルに戻れば、復活の可能性は大いにあるはずだ。左の先発が不足している日本ハムのチーム事情もあって、藤岡貴が自身の希望する先発投手として1軍で登板できる可能性も残されている。巨人からのトレードをきっかけに本来の実力を発揮できるようになった大田らと同様、環境の変化を触媒にかつての姿を取り戻すことができるだろうか。

 ゆくゆくは将来のチームを担う存在に……と期待されながら、故障もあってここ2年間は満足のいく結果を残せていなかった両者。岡は27歳、藤岡貴は29歳。今回のトレードをきっかけに、「第二の春」を謳歌できる可能性は決して低くはないだろう。投手と野手という立場の違いこそあれど、両チームの背番号「18」同士のトレードとなった今回の移籍がどのような結果をもたらすのか、ファンならずとも注目されるところではないだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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