優勝、CSへ最終補強 ハムとロッテ、岡大海と藤岡貴のトレードの背景を探る

日ハムは岡の放出で若手にチャンスを与え、さらに実績の少ない救援陣を補強

 日本ハムの岡放出の決断は、外野の選手層にある程度、自信を持っていたからだろう。今季は西川遥輝、近藤健介、大田泰示の若さと実力を兼ね備えた外野陣で戦ってきた。大田の故障離脱は誤算だったはずだが、松本剛など岡以外の外野手で大田復帰までの期間をしのぐことができると見積もったのだろう。

 また、日本ハムは選手育成のサイクルを重視しており、他球団以上に若い野手に多くの出場機会を与えていく傾向が見受けられる。岡の27歳という年齢は、日本ハムのレギュラーを獲得していない野手としては高かった。岡の放出で空いた1、2軍の出場機会は若手に回すことができるため、選手育成のサイクルという面から見てもメリットはある。

不安視されていた日本ハムの救援陣のデータ【画像提供:DELTA】
不安視されていた日本ハムの救援陣のデータ【画像提供:DELTA】

 岡の見返りとして日本ハムは投手を得ている。昨季から昨オフにかけての主力投手の大量退団もあって、開幕前から投手陣の戦力低下が懸念されていた日本ハムだったが、その不安は若手の活用と外国人選手補強で払拭してきた。特にブルペンで石川直也、玉井大翔、西村天裕、井口和朋など実績の少ない若手を抜擢し、リーグトップクラスの成績を維持してみせている。

 ただ、ブルペンの中心的な役割をしていた石川直が、24日の楽天戦で右内転筋を痛め戦線離脱。試合復帰まで3週間を要する状況になっている。ここまでは若い投手の活躍で戦力を維持してきたが、通年での1軍登板経験のある投手の数は少なかったため、先発・救援両面で経験のある藤岡は魅力的に映ったに違いない。余裕のある外野手を放出し、投手のさらなる補強を狙った日本ハムにとっても、十分な旨味のあるトレードだった。

 シーズン中では異例となる同一リーグでのトレード、しかもドラフトで上位指名した選手の放出に消極的だったロッテが、ドラフト1位の藤岡を放出してまで弱点である外野手を補強しようとしたことからは、残りシーズンでAクラスを維持し、さらにそれ以上の順位も狙う強い意志が感じられる。日本ハムも選手育成サイクルを維持しながらペナントを狙うために選択肢を増やした。端的に良いトレードということができるだろう。今回のトレードが、両球団の順位を押し上げるものになる可能性は十分ある。

(DELTA・岡田友輔)

DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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