神奈川を代表する2球場 保土ヶ谷球場と横浜スタジアムに抱く選手の思い
2020年、そしてそれ以降へ歩みを進めるハマスタ
そんなハマスタも次世代へ向かって動き始めている。2020年の東京五輪での野球競技会場に決定。ベイスターズ人気もあり、大幅な改修、リニューアルが現在進行形で行われている。
現在、コーチの立場として次世代のスラッガーを育てている小池が、ハマスタの未来への思いを語ってくれた。
「保土ヶ谷でも試合はたくさんやりましたが、甲子園を決めるとか、大きな試合はハマスタ。だから、やっぱり聖地はハマスタ。今、いろいろと改修して本当に活気が出てきていると思う。少し前までは試合があるのかどうかもわからないというか、閑散としたイメージだった。球場全体が変わってきた感じがする」
「2020年に向けて2階席ができたり形は大きく変わる。だからリニューアルというより新しいハマスタができるという感じ。その新しいハマスタでプレーする選手を1人でも多く育てたいと思う」
CS放送ながら現在も人気番組である「プロ野球ニュース」。番組の顔でもある「今日のホームラン」のコーナー冒頭では、1980年代の古き良きハマスタの円形の空撮が映し出される。まもなくこの円形の形状も見納め。少し寂しくはなるが、ハマスタは着実に前に向かって進んでいる。
高校野球は100回の記念大会、そして平成最後という記憶に残る夏。そしてペナントレースの熱戦がクライマックスを迎える季節がやってきた。強い陽射しに乱反射する土と芝のフィールド。カクテル光線に照らされ、涼しげな海風を浴びる人工芝。プロ、アマといったカテゴリーや選んだ時間によってさまざまな表情をみせてくれる保土ヶ谷とハマスタ。まったく異なる歴史、ドラマを刻んできた2つの素晴らしい球場をもつ横浜が、うらやましい。
(山岡則夫 / Norio Yamaoka)
山岡則夫 プロフィール
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。