7月だけでトレード2件、4人を補強したホークス 滲むチームの窮状

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

トレード以外にもミランダを獲得、育成の大竹を支配下に

 2年連続リーグ優勝、日本一を狙うソフトバンクが苦しんでいる。87試合を終えて43勝43敗1分の5割。1日で勝率5割に戻したものの、28日の楽天戦で敗れた際には、4月10日以来となる借金生活に突入した。

 ペナントレースの行方を左右する後半戦に突入した7月。支配下選手登録期限を前に行われた補強の数々がソフトバンクの窮状を如実に表している。

 ソフトバンクは7月に入り、マリナーズからアリエル・ミランダ投手をまず獲得。さらにトレードで広島から美間優槻内野手(曽根海成内野手と交換)、阪神から松田遼馬投手(飯田優也投手と交換)を補強し、29日には育成選手だったルーキーの大竹耕太郎投手の支配下登録することを発表した。ソフトバンクの支配下登録は12球団で唯一、上限いっぱいの70人となった。

 常勝軍団となりつつあった近年、ソフトバンクはシーズン中の補強をさほど行ってこなかった。分厚い戦力層を誇り、たとえ穴ができたとしても、保有戦力で十分に穴埋めが出来ていたからだ。トレードの打診も数多く届いていたのだが、魅力的な交換要員がいなかったため、それを断ってきた。

 それが今季は7月のトレードだけで2件を成立させた。開幕直後には金銭トレードで日本ハムから市川友也捕手も獲得している。これが従来、トレードに積極的だった日本ハムなら頷ける。あまりトレードに積極的でなかったソフトバンクがこれだけ補強に動くのは、やはりチームの苦しい状況を照らし出していると言えるだろう。

 ミランダの獲得は、手薄になっている先発陣の穴埋めを狙ったもの。左肩違和感の和田の復帰はメドが立たず、東浜も右肩関節機能不全で離脱。千賀、バンデンハーク、石川、中田、武田と軒並み従来の働きとは程遠く、先発ローテも厳しい状況にあった。そのためにメジャーでの実績も豊富なミランダの獲得に動いた。

支配下昇格の大竹は8月1日の西武戦で先発見込み

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