西武・相内が見せた大敗の中の無失点登板 「プロの世界で生き残るためには」
「結果を残して、最終的には勝ちパターンで」
「(登板機会は)全部チャンス。どんな起用でも、投げさせてもらえることが大チャンス」とマウンドに上がる瞬間瞬間を大切にする。この日まで1軍登板は通算10試合で0勝6敗 防御率12.91だった。「プロの世界で生き残るためには、どんな形でもいい。今までが全部ダメだったので、もう失うものはない」と気合十分。「今日で最後のマウンドになってもいいというくらいの気持ち」と決意を固め、マウンドに立っていた。
実は試合後、辻監督も「前の2人がダメなら、俺が生き残れる! それくらいの気持ちで投げないと。そういう期待をして投げさせた」と起用意図を明かしたが、それは相内自身の考えとも一致していた。
打線の好調もあり、優勝戦線のトップを走る西武だが、投手陣の台所事情は苦しい。先日も中日から左腕の小川龍也投手を獲得したほか、31日には元レッドソックス傘下3Aの“カウボーイ”、カイル・マーティン投手を獲得。リリーフ強化を図るチーム内で登板機会が減少していく可能性もある中、ひとまずは指揮官に及第点をもらい、次のチャンスを掴んだだろう。
「今は中継ぎでも一番下っ端。(敗戦処理でも)5点差、4点差、3点差とどんどん点差の少ない場面で投げさせてもらって、そこで結果を残して、最終的には勝ちパターンで投げさせてもらえるようになりたい」
月夜に照らされ輝く瞳は、早くも“次のチャンス”を見つめていた。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)