2つの“ワシントン”はWSへ進めるか… 世界一チームに共通する意外なステップ
マリナーズは2001年にオールスター開催も…
さらに、2007年にオールスター戦のホスト球団となったジャイアンツは2010年に8年ぶりのワールドシリーズ出場、56年ぶりの同シリーズ優勝とした。2008年のオールスター戦を開催したヤンキースは翌2009年に松井秀喜がMVPとなる活躍でワールドシリーズ優勝。2009年のオールスター戦はカージナルスのブッシュ・スタジアムだったが、カージナルスは2011年に5年ぶりでワールドシリーズ制覇。2012年にはロイヤルズのホームでオールスター戦が開かれ、2年後の2014年にロイヤルズは29年ぶりでワールドシリーズに進み、2015年には30年ぶりで頂点に立った。2013年のオールスター開催地はニューヨークのシティ・フィールド。ここを本拠地とするメッツは2年後の2015年に15年ぶりのワールドシリーズ進出を果たしているのである。
かようにオールスター開催は躍進へのきっかけとなってきた。ナショナルズも今年を弾みにワールドシリーズ初進出を果たしたいものである。
しかし、ここで気付いてしまった。ナショナルズとともにワールドシリーズに出たことのないマリナーズのことだ。2001年に地元でオールスター戦を開催したのだが、同年アメリカン・リーグのチャンピオンシップ・シリーズまで進んだものの、それを最後にプレーオフに進出したことがないのだ。メジャーリーグではもちろん、フットボールのNFL、バスケットボールのNBA、アイスホッケーのNHLを含め、アメリカ4大プロスポーツで現在最もプレーオフから遠ざかっているのである。
さて、ナショナルズは近いうちにワールドシリーズまで進めるだろうか? ちなみに本拠地でオールスターが行われた年にワールドシリーズまで進んだ球団は1997年のインディアンスが最後である。
(樋口浩一 / Hirokazu Higuchi)