西武・今井が自信を深めたチェンジアップ 辻監督も評価「フォークみたい」
フォークやシンカーのように変化も「自分の中ではチェンジアップ」
試合後、この場面を振り返る今井に浮かれた様子はなかった。カーブでの空振りと低めのチェンジアップには自ら及第点を与えたが、「(三振直前の)外の真っ直ぐがちょっと(身体が)開き気味になりシュート回転していたので、そこはもうちょっとしっかり投げ切りたかった」と反省を口にしていた。
柳田に投じたチェンジアップ。これこそ今井が1軍に上がる前に、今後を見据えてファームで練習してきたボールだ。だが、当初は「あまり自分でコントロールできない球だった」という。
「最初はチェンジアップなので、抜こう抜こうという気持ちがあって、身体が開くことが多かった。だから極力、ストレートと同じフォームで投げられるように練習を重ねてきて、その成果がだんだん現れるようになってきているのかなと思います」
ファームでの取り組みが身を結びつつある球は、その球筋からフォークやシンカーと捉えられることもあるが、「自分の中ではチェンジアップ。カウント球にも、最後の決め球にも使えるかな」と自信を深めている。辻監督も「真っ直ぐも良かったけど、チェンジアップが低めにフォークみたいに落ちる。真っ直ぐの腕の振りがいいから、チェンジアップの腕の振りもいい」と高く評価した。
中盤にはボールが抜けることもあったが、終わってみれば自己最長の7回を投げた。今後の配球の組み立てやゲームプランにはまだまだ検討の余地はあるが、「大体はアバウトにというか大胆にやっていきたい」と話す。「若さで向かっていく姿勢が足りなかったが、前回登板あたりから改善されてきた。今日は暑い中、よく投げてくれました」と話す指揮官は、20歳右腕の好投に賛辞を送った。
「今日みたいに7回2失点。取られても3失点以内という投球をしていけば、自ずと勝ち星は増えていくと思うし、チームもどんどん勝っていける。次回登板機会がもらえるならば、しっかり勝てるように頑張ります」と語った今井。これで2勝2敗。苦しい経験を経て、ようやく自らの星勘定を五分に戻した若獅子の今後は、大きな期待が持てそうだ。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)