西武・中村、連日アーチも変わらぬ平常心 「やはり勝たないと面白くない」

下位打線の配置も辻監督「そこに置いているだけ」

「ちょっとずつ良くなってきている」と復活の気配を感じ取っていた指揮官は、7月以降すべての試合で中村をスタメン起用する。そして、8月5日までの打撃成績は88打数26安打、打率.295。本塁打11本で長打率は.704。復活を信じて使い続けた結果が数字となって現れた。

 この日の同点弾を「勇気の出るホームランだったね」と称賛した辻監督は、中村の状態について「他の打席もボール球を見極めながら、タイミングよく振っている」と分析。中村自身も試合後「だいぶよくなっている」と語るなど、自らの調子に手応えを感じているようだ。

 首位攻防戦勝ち越しを決め、優勝への意識は高まるが、「んー、どうなんですかね。今の位置、一番上にいるので、しっかり戦っていければ。守るんじゃなく挑む気持ちで戦っていけば、結果は後からついてくる。気にしないでやればいい」と、優勝を経験している男は、自然体での戦いこそ優勝への近道と語る。さらに、「やはり勝たないと面白くない。今年は優勝できる位置にいるので、プレッシャーもあると思うけど、そういうことを感じながら試合ができていることは、野球選手としてすごくいいこと」と、優勝争いの渦中にいる充実感を語った。

 元本塁打王を下位打線に配置する辻監督は、「そこに置いているだけ。本来ならそんなバッターじゃない」と話す。一方で中村は、自らの状態に手応えは感じつつも「そういうのは気にせず、1打席1打席」と平常心。連夜の一発に浮かれることなく、いつものように淡々と次の試合を見据えていた。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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