木更津総合の2年生・根本、直球の平均球速144.5キロ…データで見る甲子園

セイバー目線で甲子園を分析
セイバー目線で甲子園を分析

敦賀気比はストライクゾーンのスイング率とコンタクト率で木更津総合を上回るも…

 常連校から夏の高校野球選手権大会に初めて出場するフレッシュな顔ぶれまで幅広くチームが出揃った第5日目の試合をセイバー目線で分析してみましょう。

◯攻撃指標
OPS 出塁率+長打率
wOBA 1打席あたりにどれだけチームの得点に貢献したかを表す指標
O-swing% ボールゾーンのスイング率
Z-swing% ストライクゾーンのスイング率
Z-contact% ストライクゾーンのコンタクト率

【木更津総合】
得点10 打率.333 出塁率.479 長打率.896 盗塁2/3
OPS .896 wOBA .430
O-swing% 15.2%
Z-swing% 59.1%
Z-contact% 94.5%

【敦賀気比】
得点1 打率.242 出塁率.306 長打率.333 盗塁0/0
OPS .639 wOBA .288
O-swing% 10.7%
Z-swing% 65.8%
Z-contact% 95.8%

 1イニングに打者10人の猛攻で6点をとるなど大量得点で大勝した3年連続出場の木更津総合。O-swing%は15.2%と選球眼もよく、Z-contact%もこれまでの出場校の中でも上位の部類となるなど、鍛えられた攻撃力を如何なく発揮しました。ただ敦賀気比は両指標とも木更津総合を上回る数値を出しているのです。しかし木更津総合の先発・野尻投手の低めにコントールされた球を打ちあぐねゴロの山を築き、5回途中までノーヒットと苦しみました。後半にヒット7本を集中させましたが、あとひと押し足りず1得点で終わりました。

【折尾愛真】
得点3 打率.161 出塁率.229 長打率.258 盗塁0/0
OPS .487 wOBA .220
O-swing% 23.1%
Z-swing% 65.1%
Z-contact% 83.3%

【日大三】
得点16 打率.441 出塁率.608 長打率.676 盗塁0/1
OPS 1.284 wOBA .543
O-swing% 6.9%
Z-swing% 66.7%
Z-contact% 97.0%

 初出場で1回表にいきなり先制して意気揚々の折尾愛真でしたが、裏の日大三高の攻撃で一挙失点と出鼻をくじかれてしまいました。折尾愛真の投手の投じるストレートとスライダーに球速の差がほとんどなく、初回のZone%(ストライクゾーンに球が投じられた割合)が35.3%とコントロールも定まらず、1死から8者連続で出塁を許してしまいました。15被安打もさることながら与四死球が16(四球11、死球5)と、それ以上に出塁を許してしまうコントロールの甘さが命取りとなりました。

 なお、大きな点差という余裕もあったのでしょうが、O-swing%の6.9%はこれまでの出場校の中で2番目に低く、Z-contact%の97.0%は4番目に高い数値です。

【奈良大付】
得点4 打率.343 出塁率.333 長打率.486 盗塁1/1
OPS .819 wOBA .349
O-swing% 31.0%
Z-swing% 84.3%
Z-contact% 88.6%

【羽黒】
得点1 打率.242 出塁率.286 長打率.242 盗塁2/3
OPS .528 wOBA .272
O-swing% 21.1%
Z-swing% 73.8%
Z-contact% 86.7%

 初出場ながら積極的な打撃で効果的に点を重ねていき勝利を収めた奈良大付。その積極的な姿勢はZ-swing%の84.3%というこれまでの出場の中で最も高い数値に表れています。

 羽黒は8安打すべてが単打ということで、長打率-打率で示されるISOは0。これまで出場した44校のうちISOが0のチームは11校です。

木更津総合の2年生右腕・根本は直球の平均球速144.5キロ

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