侍U-15の頼れる右腕・樋上 不慣れ海外も高い順応力「このユニ着たら燃える」
オランダ戦で4回1/3を3安打1失点 高橋コーチ「能力の高さを感じる」
パナマで開催されている野球の15歳以下の世界一を決める「第4回WBSC U-15ワールドカップ」は開催2日目の11日(日本時間12日)、オープニングラウンド第2戦が行われ、B組の日本はオランダに11ー1で逆転勝ちを収め、2連勝を飾った。先発・樋上颯太投手(湖南ボーイズ)が4回1/3を投げ、オランダ打線を3安打1失点に抑える好投で、チームを2連勝へと導いた。
ヒヤヒヤの立ち上がりだった。初回、連打と四球で無死満塁のピンチを招くと、4番に左翼への犠飛を打たれ、早々と先制点を献上。だか、ここからすぐに立ち直った。130キロ台後半の直球で後続2人を抑えると、2回以降はカーブが有効に決まり、緩急をつけた投球で二塁を踏ませぬ堂々のマウンドさばき。予定通りの80球を投げ、5回途中で2番手左腕、鈴木唯斗投手(SASUKE名古屋ヤング)にバトンを渡した。
「試合前は緊張していて、初回は力が入ったが、その後立ち直れて良かった。途中から変化球でストライクが取れるようになり、相手打者が直球に合っていなかったので、直球を生かせるようになった。この(侍ジャパンの)ユニホームを着たら燃えるのはありますね」
イニングの合間には陽気なラテンの音楽が鳴り響き、オランダの応援団は走者が出塁するたびにホーンを鳴らす、日本とは違った環境。だが「集中していたので、球場の雰囲気はそんなに気にならなかった」という。パナマ人球審のストライクゾーンも「外はバラバラで内はかなり狭い」と、日本との違いを感じながらの国際試合だったが、「マウンドは日本よりも硬かったが、硬いのは好き。高さも気にならなかった」と順応力の高さを見せつけた。
清水隆行監督は「立ち上がりは緊張もあったと思うが、粘り強く1点で切り抜けてくれたのは非常に大きかった。序盤の苦しい展開の中でそれぞれが粘り強くプレーしてくれた結果が、今日のこの試合につながったと思う」は好投を称賛。高橋尚成投手コーチも「能力の高さを感じているし、(今後の起用を考慮して)80球までというのを計算に入れていた。また次のステップにいける試合だったと思う」と評価した。
樋上は「まだまだ自分の投球ではないので、次は自分の投球をしたい」と結果に満足することはなかったが、日本にとって前日オーストラリア戦の先発・畔柳亨丞投手(SASUKE名古屋ヤング)に続く好投は、今後の戦いの中でも大きな安心材料となる頼もしい結果だった。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)