敗戦でも光った巴田のカーブ 大分から熊本まで片道3時間半の自主練で研鑽

台湾相手に好投した侍ジャパンU-12代表・巴田瑠碧【写真:Getty Images】
台湾相手に好投した侍ジャパンU-12代表・巴田瑠碧【写真:Getty Images】

流れの悪い場面で登板も「楽しくピッチングをしようと」

「第10回 BFA U12アジア選手権」が13日、台湾・台北で開幕した。予選ラウンドグループAの日本は地元のチャイニーズ・タイペイと初戦を戦い、4-8で逆転負けを喫した。チャイニーズ・タイペイは体格が良く、本塁打や5本の二塁打など長打力を発揮されたが、3番手で登板した巴田瑠碧(るい)が2回2/3を無失点と好投。仁志敏久監督は「いいピッチングだった。変化球がすごくよかった」と称えた。

 長打を連発するチャイニーズ・タイペイの勢いを、巴田が止めた。3回、日本のミスもあったが、相手打線の長打で逆転され、8点目を失った直後に出番が回ってきた。4-8の1死二塁。これ以上は相手に流れを渡したくない場面だが、「楽しくピッチングをしようと思って行きました」と前を向いてマウンドへ。3番・HU.JEN.LIを二ゴロに打ち取ると、前の打席で二塁打を放っている4番・CHANG.CHAO.HUNGから空振り三振を奪った。

 4回には先頭打者に二塁打を浴びたが、投飛、左飛に打ち取って2死。代打に死球を与えて一、二塁とされるも、最後は三飛に抑えた。5回は1死から内野安打を許したが、直後に捕手の栗山大成が盗塁を刺し、2死から空振り三振で打者3人で終わらせた。無失点で切り抜けた巴田は「自分がやれることはできたので、いいピッチングができたと思いました」と笑顔を見せた。

 仁志監督は「4点差になり、後ろのピッチャーも予定はあったんですけど、間で巴田を挟もうと思って3番手で投げさせました。いいピッチングでした」と拍手。「あんなにゲームで変化球がいいとは、こちらも思っていなかった」と、特にカーブを絶賛した。「どうしてもボールの力だけで考えちゃうと、大きい子の方がやっぱり力は強い」と仁志監督が話すように、ボールのスピードや威力は体格が影響するところもある。巴田は151センチ、43キロ。「多分、真っ直ぐのスピードは100何キロとかでしょうけど、変化球がすごくよかったですね」と目尻を下げた。

 元ヤクルトの投手である河端龍コーチも、巴田の投球に賛辞を送った。

「新しい環境なのに堂々と振る舞って、自分のペースで投げられていたのが一番良かったことですね。どうしても小学生なので環境が変われば浮き足立ったりすることがあるのですが、自分のペースで1球目にちゃんと入っていけたことが良かったと思います。普段、投げていない変化球もしっかりと放れていたので、本当に立派なピッチングでしたね」

大分から熊本まで片道3時間半をかけて捕手・栗山と練習

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY