日本がスリランカに快勝で準決勝へ 貪欲さ求める仁志監督「自信家であって」
仁志監督が求める“自分で考え工夫する力”
数字を見れば13安打12得点でコールドの快勝も、仁志監督の言葉は厳しかった。
「緩い球に詰まっていたら、速い球は打てないですよね。過去のチームも意外と山なりの球を打てなかったりするんですよ。過去に30点も40点も取ったことがあるんですけど、その中で本当のヒットは4、5本しかないんですよね。昨日も今日もそう。せめて、自分自身を修正する力は自分で引き出してほしいなと思うんですけどね。こちらが言わないと同じことを何度も繰り返してしまうというのは、いくら小学生でも指導者側として見逃してはいけない。一度は何かアドバイスを受けても、2度目は『まずいな』とか『うまくいかないな』と思ったら、自分の力で修正できないと。これは野球選手としてだけではなく、今後、社会に出れば同じことですから。言われなければできないという、そんな子にはなってほしくないですからね」
教わったことをヒントに自分自身で考え、工夫や修正をするなど、野球を通じて身につけてほしい力がある。それは結果的に野球選手としての成長となる。また、小学生といえど、彼らは日本代表であり、日本の小学生のトップレベルにある選手たちだ。日の丸を背負う意味や意義を彼らなりに感じているが、さらなる誇りと自覚も促す。
「今の子の傾向なのか、俺一人でもやってやる、くらいの抜けた性格の子が少ない。このチームがそうなのか、世の中がそうなのか。どんな相手でも、上手にやろう、上手にやろうとしてしまう。そうすると、相手の力が落ちても上手くいかないことが多いし、台湾のように力が上の子どもたちを相手にしたら上手くいくわけがないので。『自分はこんなにできるんだぞ』とか、周りに対して『俺を見てくれ』という貪欲さを持ってくれたらいいなと思うんですけどね。最後にもう一度、台湾と対戦するために、(前日から)勝って当たり前、打って当たり前、抑えて当たり前、すべてやって当たり前だという、そういう気持ちでやりなさい、と言っています。それくらいの自信家であってほしいですよね」
技術のみならず、気持ちや考え方も求める。協調性や相手への配慮なども大切だが、遠慮せずに自信を持って自分をアピールすることもまた大切だ。そうした個の結束がチームの力にもなる。
予選ラウンド3試合を終え、いよいよ決戦へと近づく。セミファイナルでは韓国とパキスタンと対戦。まずは17日、韓国との一戦に全力を注ぐ。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)