3大会連続MVPを目指す日本人最速126キロ右腕 大黒柱・里「殿堂入りできれば」

日本人最速126キロの直球を武器にカーブ、スライダーを操る

 日本人投手最速であるMAX126キロの直球を軸に、カーブとスライダーをクレバーに織り交ぜる投球スタイル。2月から3回に渡って行われた国内強化合宿では、若手に積極的に声をかける場面が目立った。気さくで面倒見の良い性格で、変化球の握り方から海外の打者の特徴や場面に応じた配球まで、日本代表やプロで養った経験を惜しみなく若手に伝えてきた。

 半年に渡る集大成となる本番では、自らの力を最大限発揮することはもちろん、若手の力を引き出すことも自身の役目と認識している。出発前の記者会見でも「高校、大学、社会人、プロのトップ選手が集まっているので技術面では力を出し切ればいい。ただ、(ワールドカップの)経験者が少なく、力を出せないとなるのが怖い。若い選手が伸び伸びできる環境、一人ひとりの強さを引き出すためにコミュニケーションを取っていきたい」と語った。

 精神的支柱としてチームを背負う覚悟十分の里に対し、橘田恵監督は「大黒柱」と絶対的な信頼を寄せる。世界を代表するエースは、その右腕と強い精神力でチームを6連覇に導く。

◆里綾実(さと・あやみ)1989年12月21日生まれ。鹿児島県奄美市出身。兄の影響で9歳から野球を始めた。神村学園高から尚美学園大に進み、10年に日本代表初選出。大学卒業後に福知山成美高のコーチを経て、13年に女子プロ野球リーグ入りした。16年の角谷賞(MVP)、16、17年の最多勝利、16年の最多奪三振などプロでのタイトル多数。日本代表には10年から5大会連続で選ばれ、14年と16年に大会MVP獲得。愛知ディオーネ所属。166センチ。右投右打。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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