侍U12仁志監督がアマチュア野球界に提言 「勝ち負けは指導者の責任」
楽しむことで逃げることは「一番楽な指導」
選手たちが考え、工夫するためには彼らが選択するための知識や情報が必要だ。その時に教えることと押し付けることの線引きは難しいが、放任ではいけない。
「普段、子どもっぽい子ほど、緊張しがちになりますね。緊張することは凄くいいことなんですけどね。緊張する試合に対してどう対処するか、普段からやっておいてほしい。いつでもどこでも楽しんでしまうと、こういう緊張から逃げてしまったり、試合でうまくいかなかったことを笑ってごまかしてしまったり。そういう傾向が最近のアマチュア野球では広がってしまっているように感じます」
勝利が悪のように思われ、最近では「勝ち負けじゃない」とか「楽しもう」と言った声が増えてきている。
「それを言ってしまったら、指導者はいらないですかね。勝ち負けが楽しむことで逃げてしまうのは、一番楽な指導なんですよ。やっぱり、勝ち負けは指導者の責任だと思います。今日は、まだまだ伝えきれていないんだなぁということを感じました」
得点するための状況を作るために、仁志監督は「少年野球はセカンドに送っただけで点にならない」と、この日はエンドランも使った。結果として得点には結びつきにくかったが「最高の形にはならなかったですけど、ちゃんとやってくれて、それはすごくよかったと思います」と称えた。トライアウトを受け全国から集まった15人の“小さな侍”たちの戦いも残すところあと2戦。目指してきた連覇はならなかったが、この先の野球人生につながる戦いにするためにも、このチームの集大成を見せていく。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)