自炊生活を送る侍女子代表 一番の料理上手はエース里、投球との共通点も!?

料理と投球に共通する「準備」と「対応」

 ふだん自炊生活だが、買い物に行く時間があまりないため、料理する機会はそんなに多くないという。それでも「(食材が)いろいろあると思いつくんですよね」と笑う。マグロは刺し身にした後、一部はステーキにし、残りは大根と一緒に煮た。ステーキは外側を炙っただけのレアで、その火入れの加減が抜群。煮物の大根にはしっかり隠し包丁が入れてあった。即興ながら手抜きのない心のこもった料理を裏方スタッフに差し入れする心遣いも素晴らしい。

 料理している姿に接すると、投球との共通点があるように思えてきた。野球をしている時に里がよく使う言葉は「準備」と「対応」。周囲の状況を積極的に情報収集して、試合までにしっかり準備をすること、試合になれば、様々な状況に対応すること。この2つを積み重ねて、14、16年と2大会連続でワールドカップMVPを獲得した。

 料理は、まさに準備と対応の連続だ。目の前の食材にどう対応するかを瞬時に検討し、下準備を怠らずにていねいに調理する。里の料理の腕前に接し、世界一の投手になった過程を見た思いがした。

 チームの自炊は20日で終了して大会モードに突入する。22日開幕の大会では日本の6連覇と自身の3大会連続MVPが懸かる。どちらも前人未到の大記録。料理で見せた手際の良さと丁寧な仕事で、日本を敵対視する国々をきれいに料理してほしい。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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