ホットコーナーを担う初出場19歳 阿部希は侍ジャパン女子代表イチの元気印
日体大硬式野球部の練習参加生、週末はクラブチームでプレー
女子硬式野球部を持つ大学はそう多くはない。福知山成美高卒業にあたって阿部が選んだ道は、日体大で勉強しながら、女子硬式クラブチームのハナマウイでプレーすること。平日は日体大の2軍の選手と一緒にウエートトレーニングや打撃練習など行い、週末はクラブチームの練習に参加する。「男子のスイングから学ぶところがありますし、体づくりにも力を入れています」とレベルの高い男子と一緒に練習することで、成長を実感している。
元々、守備と走塁には定評があった。この1年、打撃に重きを置いて練習してきた成果が表れ始めている。6月末に行われた女子代表の新潟合宿では、実戦5試合に出場して12打数6安打5打点。バントも得意としており、1番、6番、9番と様々な打順で存在感を発揮した。
今月上旬に松山で行われた全日本女子硬式野球選手権大会ではチームの初優勝に貢献した。心身ともに充実して迎える初のワールドカップ。「自分の役割を果たして6連覇という思いが強いです」。その屈託のない笑顔の中に、負けん気の強さがのぞいた。
◆阿部希(あべ・のぞみ)1999年5月9日生まれ。宮城県仙台市出身。兄の影響で8歳から野球を始めた。小松島小ベースボールクラブ時代の11年には楽天イーグルスジュニアに選ばれた。仙台台原中卒業後、福知山成美高で硬式野球を始め、高校生で編成された昨年9月の第1回BFA女子野球アジアカップで日本代表入り。今春に日体大に進学すると同時に、クラブリームのハナマウイに所属し、今月行われた全日本女子硬式野球選手権大会ではチームの初優勝に貢献した。157センチ。右投げ右打ち。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)