第100回甲子園で輝いた投手は? 旋風を巻き起こした右腕、連覇の立役者…
強打の大阪桐蔭を最も追い詰めた高岡商・山田
〇山田龍聖(高岡商)
この夏、大阪桐蔭から唯一の2桁11三振を奪い、最も勝つ可能性があった投手。富山大会では満塁弾を浴びるなど、2試合13回1/3で11失点と苦しい内容だった。本大会に入っても、1回戦の佐賀商戦では足がつるなど完投できず、リリーフを仰いだが、2回戦の佐久長聖(長野)戦を完投したことでスイッチが入り、3回戦の大阪桐蔭戦は伸びのある直球とスライダーを武器に、最強軍団の強打線に真っ向勝負を挑んだ。プロ注目の4番・藤原を4打数無安打に封じたのも、大会を通じて山田だけ。MAX148キロ左腕はその本領を発揮し、侍ジャパンU-18代表にも選出された。
〇河村唯人(日大三)
リリーフ専門の左腕は、甲子園で5試合25回2/3を投げて34奪三振。奪三振率は11.92で、吉田の11.16を上回る驚異の数字だ。ロングリリーフもこなし、ここぞという場面で三振が取れる河村の存在は、チーム全体に絶大な安心感をもたらしていた。中村、広沢、井上と日大三には3人の先発右腕がいたが、ブルペンに河村がいることで、序盤からで飛ばしていくことができた。打線に注目が集まりがちな日大三だったが、河村はまぎれもなく準決勝進出の原動力の1つだった。
〇西純矢(創志学園)
岡山大会では、準決勝の倉敷商戦で同じくプロ注目の速球右腕・引地に投げ勝つなど、好投手として大会前から評判だったが、1回戦の創成館(長崎)戦の無四球16奪三振完封は、その能力を余すところなく見せた。MAX149キロの速球はもちろんのこと、縦に鋭く落ちるスライダーの切れが持ち味。2回戦の下関国際(山口)戦では相手の待球戦法に球数がかさみ、9回に踏ん張りきれずに逆転を許したが、まだ2年生。この経験を糧に来夏はどんな成長を遂げるのか楽しみだ。
(Full-Count編集部)