岩隈久志、リリーフで復帰の可能性も GMが示唆「良い影響を与えてくれる」
復帰へ向けてリハビリを続ける岩隈、地元メディア「先発としてではないかも」
マリナーズの岩隈久志投手は復帰へ向けて懸命のリハビリを続けている。まずは今季中にメジャーのマウンドに戻ることが大きな目標となるが、ジェリー・ディポトGMはまずはリリーフとして復帰する可能性があることを示唆したという。地元ラジオ局「710 ESPNシアトル」電子版が伝えている。
岩隈は昨年5月3日のエンゼルス戦を最後にメジャーのマウンドには上がっておらず、昨年9月には右肩のクリーニング手術を受けた。今季はマリナーズとマイナー契約を結び、復帰へ向けてリハビリを続けているが、状況は一進一退を繰り返している。21日(日本時間22日)には、本拠地セーフコフィールドで会長付特別補佐のイチロー外野手を相手に打撃練習に登板していた。
記事では「元オールスター右腕は今季最終盤に復帰をするかもしれない。可能性は小さいが、その場合は先発投手としてではないかもかもしれない」と指摘。岩隈がイチローと対戦した打撃練習後、ディポトGMは「(岩隈が2018年中に復帰することは)決して夢物語だとは思っていない。ただ、クマは長い間離脱している。彼が最後にMLBで登板してからほぼ2年が経っているが、彼はできること全てに取り組んでいる。彼の練習は毎日見ているし、彼が挑戦していることは分かっている」と話したという。
MLBでは、長期離脱した選手はマイナーなどでのリハビリ登板を重ねて、メジャー復帰を目指すことになる。特集では、次のステップが1Aでの登板になると言及しつつ「そこでマリナーズは岩隈がシーズン終盤のブルペン要員となり得るか、判断することになるだろう」としている。実際に、ディポトGMは記事の中で救援として岩隈を起用する可能性があることを示唆している。
「どういう結果になるか楽しみだが、シーズンは残り4~5週間であり、イワクマもMLBのマウンドからは長きに渡って遠ざかっている。なので、彼を先発要員として考えるのは必ずしも懸命ではないかもしれない。もしクマが戻ってきてくれて、チームに良い影響を与えてくれるのであれば、それがたとえブルペン要員であったとしても、彼自身にとってもチームにとっても良いことだろうと感じている。チームの誰もが、彼が復帰に向けていかに懸命に取り組んでいるか分かっている。幸運を祈るのみだ」
2012年に加入した岩隈は、1年目は救援投手としてスタートを切りながら、シーズン途中から先発ローテーションに定着。その後は先発陣の軸の一人としてチームを牽引してきた。2年目の2013年には33試合登板で219回2/3を投げ、14勝6敗、防御率2.66の好成績をマーク。サイ・ヤング賞の投票では、タイガース(当時)のマックス・シャーザー、レンジャーズ(当時)のダルビッシュ有に続く3位に入った。
2015年9月にGMに就任したディポト氏からの評価は高く、今年1月には球団公式サイトで「70歳まで現役をするにしても、投手コーチをするにしても、コンサルタントをするにしても、残りの野球人生はシアトル・マリナーズで過ごしてくれるものと信じている」と事実上の“生涯雇用手形”を与えたほど。絶大な信頼を寄せるベテラン右腕が、どんな形でも復帰してくれることを願っているようだ。
(Full-Count編集部)