日本を無傷4連勝に導いた“責任感” 女子野球界のイチローが見せた勝負強さ

キューバ戦で勝利に貢献した侍ジャパン女子代表・三浦伊織【写真:Getty Images】
キューバ戦で勝利に貢献した侍ジャパン女子代表・三浦伊織【写真:Getty Images】

4度目のW杯出場、三浦が同点打と2点タイムリーの活躍

 第8回WBSC 女子野球ワールドカップ(米国フロリダ)で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表は25日(日本時間26日)、オープニングラウンド第4戦でキューバに4-1と逆転勝ちした。

 今大会初めて先制点を許す苦しい展開を救ったのは、ワールドカップ出場4度目の経験豊富なベテランだった。1点を先制された直後の6回表1死三塁で三浦伊織外野手(京都フローラ)が中越え同点二塁打。「最年少の坂原(愛海投手)が一生懸命投げているのに、点を取れない悔しさがあったので、必ず外野フライを打とうと打席に入りました」と極限まで集中力を高めていた。1点リードの7回2死二、三塁の場面でも右前2点適時打を放ち、キューバを突き放した。

 初先発で5回1安打1失点と好投していた17歳の坂原を援護したいという思いとともに、もう1つ責任感にかられていた。5回表の先制機にワールドカップ初采配の橘田恵監督がスクイズを仕掛けたものの、外されて失敗。指揮官が「申し訳ありません。一番緊張しているのは私です」と選手に謝る姿を見ていたからだ。

「(打線が5回まで2安打と)打っていなかったのがプレッシャーになっていたのだと思います。川端選手と私はワールドカップ4回目。経験している分、私たちが打たないといけないと強く思いました」と三浦。フライを打ち上げた1、2打席目の反省を生かしてボールを捉えた。

 女子野球界のイチローとも呼ばれることもある安打製造機だが、今大会は様々なタイプの投手に対して、思うように対応しきれていなかった。2-1と辛勝した前日のカナダ戦でも4回2死満塁の好機に中飛に倒れて悔しさを味わった。

「あの左中間の当たりが抜けないのは、押し込が足りないということ。守りに入っている感じだなと思いました」と、自分の間合いで打てるように打席の中で早めの準備を心がけ、結果につなげた。

 2試合続けて苦しい試合をものにして無傷の4連勝。26日はBグループ全勝突破を懸けてオーストラリアと対戦する。頼りになる3番打者は「これからも苦しい展開があると思いますが、早めに点を取れるように、つないで、1点1点を重ねていきます」と力強く語った。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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