日本が決勝進出一番乗り、W杯6連覇へ王手 台湾に辛勝「大変苦しい試合」
世界ランク6位の相手に1点差勝利、試合後には橘田監督が選手に“謝罪禁止令”
「第8回WBSC 女子野球ワールドカップ(米国フロリダ)」で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表は29日(日本時間30日)、スーパーラウンド第2戦でチャイニーズ・タイペイを2-1で破り、決勝進出一番乗りを果たした。
世界ランク6位の相手に思わぬ苦戦を強いられた。安打数は相手より2本少ない5本。投手陣も再三ピンチを背負いながら、なんとか最小失点で切り抜けた。橘田恵監督は「大変苦しい試合でした」と冷や汗をぬぐった。
先発した清水美佑(アサヒトラスト)が2回表に先制点を奪われた。1死二塁とされ、チャイニーズ・タイペイの6番打者に先制の右越え適時三塁打を許した。なおも1死三塁のピンチ。ここではスクイズを外して、1失点で踏みとどまった。
打線は1点を追う3回裏2死二、三塁の好機に、5番の船越千紘捕手(平成国際大)がフルカウントから中前へ逆転適時打を放った。この1点のリードを4回無死一塁からリリーフした左腕の水流麻夏投手(レイア)が無失点投球で逃げ切った。
5回以外は毎回得点圏に走者を進めながら、船越の適時打1本に終わったことに橘田監督は反省点を見出した。「チャンスはいくつもありましたが、得点の方法の部分で意思疎通できていなかったことが反省です。スクイズやエンドランがある場面で早打ちして自分たちの首を締めてしまいました。打つこと以外にも点を取る方法があることを忘れてはいけないですね」と語った。
試合後のミーティングでは、選手に“謝罪禁止令”を出した。「打ち損じたり、アウトになったり、仕事しないで帰ってきたときにみんな『すみません』と言うけれど、すみませんじゃなくていいよ。何の情報を得て、次の人に伝えられるのか。こんなことが考えられるとか、相手のボールがこんなんやったとか情報交換の場にしたらいい。みんな謝り過ぎ。気の利いたジョークでも言って帰ってくればいい」と呼びかけた。
30日のベネズエラ戦の勝敗に関わらず、31日の決勝進出が決まった。6連覇へ王手をかけた。「ホッとした気持ちもありますが、せっかく階段を一つずつ上がってきたのに3段くらい落ちた感じ。明日しっかり勝って、決勝に弾みをつけたいです」と指揮官は残り2試合を見据えた。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)