田中将大には「195億円の価値」がある 辛口NY紙が絶賛「金額に見合っている」
理由は「耐久性」、ワイルドカードゲームの先発は田中が「最善の選択」
同記者が「理由」として挙げているのが「耐久性」。田中は5シーズンのうち4シーズンで故障者リスト(DL)入りしているため「不思議に聞こえるかもしれない」と前置きした上で、その根拠について示している。
2014年7月に右肘靭帯損傷が発覚し、靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)ではなくて保存療法を選択した田中は、翌2015年シーズンから計109試合に登板しているが、これはメジャー34位タイだという。さらに、計674イニングはメジャー25位だとシャーマン記者は紹介。ヤンキースが昨オフに獲得しようとしたゲリット・コール(現アストロズ)、そして今夏獲得したJ・A・ハップの成績と「何ら遜色ない」と言及している。
さらには、野球専門の米データサイト「ファングラフス」が、金額とセイバーメトリクスの指標「WAR」を計算し、これまでの田中には1億1970万ドル(約134億円)があったと算出したことを紹介。このペースで行けば、7年で1億7000万ドル(約190億円)に達するという。確かに、譲渡金と年俸総額の合計とほぼ同じ額だ。
昨年のプレーオフでは圧巻の勝負強さを見せた田中。シャーマン記者はこれについても振り返り、「昨年のヤンキースは、彼無くしてアメリカン・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第7戦まで持ち込むことはできなかった」と絶賛。また、後半戦の防御率2.30という数字は、50イニング以上を投げている投手ではレッドソックスのデビッド・プライス(防御率1.78)に次ぐリーグ2位だというデータも紹介している。セベリーノが後半戦に調子を落とす中、まさにエースとしての働きを見せているのだ。
ヤンキースは今季、ワイルドカードゲームに進むことが濃厚。一発勝負の決戦で田中とセベリーノのどちらを先発させるのか、早くも注目が集まっている。シャーマン記者は「タナカは10月3日に行われるワイルドカードゲームの先発投手として最善の選択かもしれない」と指摘。「そして、ヤンキースの1億7500万ドルの男がどれほどの価値を示してきたのかを思い出させてくれる」と締めくくっている。
超名門ヤンキースで確かな地位を築いてきた田中。その安定感には、辛口コラムニストも一目を置いている。
(Full-Count編集部)