西武・郭俊麟が3年ぶりの勝利を手にできた理由 「何かを変えたかった」

登録名の読み方を「カク」から「クォ」へ変更

 その郭俊麟の投球を細かく見てみると、降板までの98球中ストレートが30球に対し、変化球は68球。ストレートの割合が少なかったことに対し「(ストレートは)見せ球として使いました。ソフトバンク打線はストレートへの対応力がいい打者が多いので、長打や大量失点に繋がるリスクがある。(バッテリーを組んだ)森捕手もその考え方は理解していたので、(配球は)2人で組み立てていきました」と、ソフトバンク打線のタイミングを外し、空振りを取れていたその配球意図を明かした。

 そんな郭俊麟だが、今年から登録名の読み方を日本語読みの「カク・シュンリン」から、中国語読みの「クォ・ジュンリン」へ変更。

 その真意をたずねられると「ここまで結果が出ていなかったので、何かを変えたかった。“かく”という読みだと、やはり郭泰源さん(1985-1997西武在籍。通算成績117勝68敗18セーブ 防3.16)を連想させるので、自分は自分自身のピッチングをして、自分自身をアピールしたいと思った」と、「クォ・ジュンリン」という1選手として、結果を残したいという強い決意を語った。

 3年ぶりの勝利について「本当にこの3年間は辛かったが、プロ野球選手として頑張らなきゃいけないという気持ちが強かった。そんな中、今年は同じ台湾出身である許銘傑さんが2軍投手コーチとなり、いろんな指導やアドバイスをいただき、自分のピッチングにとって、大きな力となりました」と、同郷の先輩の助言を糧に、この日を迎えたことに感謝していた。

 結果が残せず苦しい3年間を経てつかんだ1勝。今後のローテは未定だが2週間後、再びメットライフドームでソフトバンクを迎え撃つ試合に再登板する可能性もある。「チャンスがあるならば、自分のピッチングをきちんとしたい。ストライク率を上げ、早いカウントで打者と勝負ができるようにしたいし、試合を作って長いイニングを投げられるように心がけたい。」と語り、「自分が自信をもって投げられるボールも増えたので、どんな相手でも自分の準備をきちんとして、『最高の自分』を出したい」と、次回登板へ向けてのの気持ちを口にしたその瞳には、力強さが宿っているように感じられた。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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