「あの泣いていた選手が…」2000安打の偉業目前 ロッテ福浦の開花のきっかけ

イチロー、前田、グリフィーJr.を参考に練習重ねる

 先輩たちの励まし。様々な指導者との出会い。努力と辛抱を重ねて福浦は徐々に才能を開花させていく。投手から野手に転向。細い体を補うためウエートを積極的に行うようになった。鉄分を吸収することを意識して食事を心がけることでスタミナもついていった。

 とにかくバットを振った。超一流バッターの映像を食い入るように見ては、参考にしてみた。当時だとオリックス・イチロー、広島・前田智徳、メジャーではマリナーズのケン・グリフィーJr.。様々な映像を見て、理想のスイングのヒントを探し続けた。あくなき探求心、そして地道な努力を積み重ねた先に今がある。

「これだけ多くの方に応援していただいてね。本当に幸せだよ。四半世紀か。そう言われると確かに凄く感じるね。よくここまで来たなあって」

 福浦は試合がなかった14日の練習後に、初めてZOZOマリンスタジアムのライトスタンドに足を踏み入れた。応援してくれるファンの聖地で誰もいないグラウンドを眺めた。いつもとは違う応援する側の視界が新鮮だった。誰もいないはずの場所ではあったが、応援してくれるファンの想いが聞こえてくるようだった。

 心が動いた。満身創痍の体に力が注入されていく不思議な感覚を覚えた。地元で、いつも後押しをしてくれるファンの目の前で偉業を決める。誰もいないその場に約束して、またグラウンドへと戻った。通算2000安打まで残り3安打。大記録は目前だ。

(マリーンズ球団広報 梶原紀章)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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