【1軍をマクレ】ロッテ安田が燃やす闘志「負けていられない」 清宮、西巻の活躍に「いい刺激」

「高校野球で終わりじゃないって思ってやっていました」

 出場2戦目でプロ初ヒットを放ち、初打点も記録した。「大阪で1本出てよかったなって思います。でも、あの時は本当に打席の中で膝が震えているくらいだったんですけど」と苦笑い。結局、この1本が1軍で唯一のヒットとなったが、安田の顔に打ちひしがれた様子はない。「1軍の投手はコントロールがいい。1球くる甘い球をどれだけ仕留めきれるか。ファウルにしていてはまだまだ。技術だったりメンタルの部分だったり、まだまだだって痛感しました」と話す顔には、むしろ以前にも増したやる気がみなぎっている。目標が明確になったからだ。

 開幕直前、1軍との当落線上にいた安田は、最後の最後で2軍行きを伝えられた。その時、井口資仁監督からかけられたのは「次に上がる時はレギュラーを獲るってくらいの気持ちで来い」という力強く言葉。以来、浦和にある2軍球場で練習でも試合でも、1年目ながら誰よりも大きな声を出しながら「まずは2軍でしっかり力をつけてやっていこう」と、野球と向き合った。

「上に呼ばれた時も、まだまだレギュラーが獲れるくらいの実力はついていないと思っていたんです。だがら、こういう結果になって、また2軍に落ちて来て、今の自分と1軍のレベルの差を感じられた。試合の雰囲気だったり、ゲーム感をはじめ本当に学ぶことがたくさんあった。すごくいい経験をさせてもらったなって思います。もう1回呼ばれた時は、チームに貢献できるような選手になれるように頑張っていきたいです」

 再び戻ってきた2軍では、「肩の力を抜いて軽く打つ」イメージを持ちながら、1球で仕留める意識で打席に向かう。そして、もう1つ。1軍では経験できなかったからこそ、力を入れているのが、守備の練習だ。

「結局、上では守備機会がなかった。やっぱり守備で信頼される選手になるためにも、今、基本のことをしっかりやっていかないといけない。上に行って一番強く感じたのが、もしかしたらそこかもしれません、バッティングのことばかり考えることもあったんですが、まずは守備からだって1軍で気付きました。そこで首脳陣に信頼されないとレギュラーにはなれない。やっぱりベンチに信頼される選手になりたいですから」

 思えば、ちょうど1年前は侍ジャパンU-18代表としてカナダで行われたW杯を戦い終えたばかりだった。野球が自分の仕事になり、寝ること食べること休日の過ごし方、すべてが野球につながると日々を過ごしている。野球を始めた頃から「夢はプロ野球選手」と書いていたが、具体的に高校からプロへ進もうと決めたのは高2の冬だったという。強豪・履正社高では2年夏と3年春に甲子園出場を果たしたが、最後の夏は大阪大会準決勝で大阪桐蔭に敗戦。だが、その翌日にはすでにグラウンドに立っていた。

「高校野球で終わりじゃないって思ってやっていました。甲子園ももちろん素晴らしい場所ですし、いい経験をさせてもらったんですけど、別の夢としてプロ野球選手として活躍するっていう夢があった。だから、それに向けてずっとやっていましたね」

12歳年上の兄に絶大なる信頼「野球の師匠が兄と言ってもいいくらい」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY